反応をやめるには身体の感覚を意識!
ムダな心の反応を減らす方法で、もっともオススメなのは、身体の感覚を意識すること。
「何か別のことをして気分転換することもあると思いますが、それだと悩みは根本的にはなくなりません。心が単に次の反応に移るだけだからです。そこで、心からいったん離れ、身体の感覚のみに集中してみましょう。すると、心の反応が静まり、ストレスやイライラに満ちていた心がスッと軽くなります」
そんな身体の感覚を意識する方法の中でも、次に紹介する2つの方法は、手軽なものなので、ぜひ日常生活に取り入れてみてほしい。
【1】どこでもすぐに心をリセット!
1つ目は、目を閉じたり開いたりするだけでできる「妄想クリーニング術」。
まず目を閉じ、夫に怒られるかも、老後のお金が不安……など、頭の中に自然と浮かんでくる考えについて「自分は今こんなことを妄想しているんだ」とはっきり意識する。そして目を開け、視覚という身体の感覚に集中して、周囲の景色をよく見る。
すると、先ほど頭の中に浮かんでいたのは単なる妄想で、一時的な心の反応でしかない、現に今、目の前では何も起きてないということに気づくことができ、妄想という心の反応を減らすことができるのだ。
(1)目を閉じて妄想を確認
目を閉じるだけで、暗闇にさまざまなイメージや考え=妄想が浮かんでくる。妄想をひとつひとつ言葉にしてみることも、今の心の状態を理解するのに効果的。
(2)目を開いて視覚に集中
目を開けて身体の感覚(=視覚)に意識を集中することで、妄想を心から追い出す。その際、「さっき見ていたのは妄想だ」ということを明確に意識する。
【2】相手にイラッとしたときに!
2つ目は、横になっているとき以外は常に地面に着いている足の裏の感覚を利用した「足裏リラックスワザ」。
例えば、目の前に怒っている夫がいるとする。すると、あなたの心はつい夫に反応し、不安や怒りなどでいっぱいになってしまうだろう。そんなとき、まず自分の足の裏に意識を集中させる。
足の裏って温かくてやわらかいな、カーペットって意外と硬いななど、足の裏の感覚にだけひたすら意識を向けていると、心はしだいに反応をやめて落ち着いてくる。その心の状態を保ちながら、残りの意識で夫に対応すると、反応を減らすことができる。
「相手に合わせてしまえば、いつまでも心の反応は治まりません。自分の心の状態を優先して人と接することが大切です」
相手から不快な刺激を受けたら、足裏の感覚に集中。身体の感覚だけを意識することで、相手に「反応」してしまっている自分の心を落ち着かせてリセットできる。
(2)残りの意識を相手に向ける
(1)の心の状態をしっかり保ったまま、残りの意識を相手に向ける。相手を優先して意識すると、相手に振り回されてしまう。自分の心の状態を最優先に。