その複雑さはまさに現代の人間模様さながら
気難しいエアーマン課長に報告する前に、ウッドマン課長に一言入れておけば、エアーマン課長は寝ながら報告してもOKを出してくれるのです。
なお、ウッドマン課長も非常に気難しい方なので、アポ前にはヒートマン部長に一言入れておくのがいいでしょう。ヒートマン部長は眠そうな顔をしていますが、激情家です。手ぶらでいくと丸焦げにされてしまいますが、バブルマン担当部長のお墨付きがあれば、おおむね承認はもらえるでしょう。
しかし、バブルマン担当部長もまたややこしい人なので……、と、本当にややこしいな!
登場人物が多いし、みんな好き勝手なことを言ってくるのが会社組織というもの。
しかし、安心してください。
あなたが経験したロックマンにも、6~8体のややこしいボスキャラが存在していました。
火のスキルを持つヒートマンが、水中での活動にたけたバブルマンの武器に弱い、といったわかりやすい関係性もあれば、ボムを爆発させて攻撃してくるクラッシュマンが、なぜか風を巻き起こすエアーマンの武器に弱い、といった覚えにくい関係性もあり、その複雑さはまさに現代の人間模様さながらです。
ロックマンを遊んだ経験を生かせば、地雷だらけの根回しもきっと攻略できます。
どんな相談をしても非難ばかりしてくる課長さんも、エアーマンだと思って対策をしましょう。
エアーマンにとってのウッドマンのような存在が、その課長さんにもいるはずです。
さあ、その人物、つまりウッドマンを探すところからはじめてみましょう!
これでもう根回しは怖くないですね。
どこにでも1名程度はいる○○○マン
最後にもうひとつ、ロックマンから学んでいただきたいことがあります。
メタルマンだけは、メタルマン本人の武器が有効という特殊な存在です。
「本人の武器が有効」ということからおわかりですよね?
そう、オウム返しで攻略できるのです。
「君、なんなんだこの報告は!」と言われたときは
「本当そうですよね! なんなんでしょうね!」
「提案の前に調査はしたのかね?」
「おっしゃるように提案の前には調査ですよね! まさにその通り!」
と、オウム返しをしておけば大体、攻略できる人がいたら、その人はメタルマンです。
覚えておきましょう。どこにでも1名程度は大体いらっしゃいますので。
(文/野中大三)
《PROFILE》
ゲームとプロレスをこよなく愛するコラムニスト兼ドット絵師。電子玩具開発を経て、株式会社カプコンでテレビゲームのプロデューサーを務め、オリジナルタイトルや人気シリーズタイトルのプロデュースを手がける。現在も電子ゲームの開発に携わっている。35年にのぼるプロレス観戦歴とゲームプレイ歴の経験から日本最大のプロレス団体、新日本プロレスオフィシャルサイトでコラム「ゲーム的プロレス論」を連載中。プロレスラーをドットで表現する「dotswrestler」を Twitter で公開中。