「心のサポーター」を持つことが大事
さらに叶さんは、この「レジリエンス」を高める方法について、こう言及しています。
「パートナーに『心のサポーター』になってもらうと、(起業した)ビジネスがうまくいきやすくなります」
具体的にはどうすればよいのかというと、まず、「こんな内容で起業したい」「なぜ、その夢を叶えたいのか」というヴィジョン(夢)やその理由を、パートナーに、真摯(しんし)に打ち明けて理解してもらう。そして、「協力者」になってもらうのです。
協力者といっても、事業を手伝ってもらうとか、資金を出してもらうというわけでありません。
応援者第1号として、自分がへこんだときに、弱音のひとつでも聞いてくれる存在になってもらう、ということです。
この「落ち込んだときに、弱音を聞いてくれる人」=「心のサポーター」がいることが、自分の支えとなり、レジリエンスを高めてくれるというのです。
叶さんは女性起業家を応援しているので、叶さんが言う「パートナー」は、一般的には旦那さん、ということになります。
しかし、これは、男性にも言えること。
会社からリストラされたり、あるいは、早期リタイヤして夢だったお店を持とうと考えたり、それこそ、自分で新しい会社を興(おこ)したいと考えたりしたとき。あるいは、本業のほかに、本格的に副業を始めようと思ったとき。
男性だってパートナーにヴィジョンを語って、応援者第1号になってもらったほうが、心おきなく夢を追いかけることができるはず。
奥さんが、自分の思いを理解者して応援してくれていれば、「レジリエンス」を高めることにもなり、新しいビジネスがうまくいく確率も上がるでしょう。
いつかは起業したいと考えている方は、自分の「立ち直りの早さ」を確認してみてください。
そして、「打たれ弱いかも……」と思ったら、まず、パートナーに「心のサポーター」になってもらう。さらに、できればパートナーのほかにも、数人でよいので「心のサポーター」になってくれる人を作ることをお勧めします。
(文/西沢泰生)
【参考:『夢と現実に橋をかける人柄ビジネス』叶理恵著/BABジャパン刊】