緊張せずに、質問が自然に出てくる「雑談の目的」とは?

 私がお世話になっている編集者であり、ビジネス本の著者としても人気の柿内尚文さんの著書に、すばらしい答えが出ていました。

 編集者である柿内さんにとって、雑談は、相手との仕事を円滑に進めるために場を和ませるというアイスブレイクが目的でした。

 しかし、どうしても雑談に苦手意識を持っていた柿内さんは、ある日、気がつきます。

「そうか、雑談が苦手なのは、“雑談でアイスブレイクをしないといけない”と思っていたからだ!」

 本の著者などの仕事相手に対して、雑談をすることで緊張を和らげる。そのために無理やり雑談をしていたことが、苦手意識の原因だと思い至ったのです。

 そこで柿内さんは、雑談の目的を次のように変えてみました。

「雑談は、相手と仲よくなるためにするもの」

 そう考え方を変えた途端、あんなに苦手だった雑談が苦ではなくなったのだそうです。

 柿内さんのこの方法を知って、私も思い当たりました。

 実は、私も会社員時代は、仕事で初めて会う相手との雑談がすこぶる苦手だったのです。

 営業時代の商談や、社内報を担当していたときのインタビューなどでの会話はよいのです。

 でも、いざ雑談タイムになると、「何を話したらいいんだろう」って緊張してしまうタイプでした。

 それが今、フリーランスになって、初めて会う相手と話をするときには、まったく緊張しないで雑談ができています。

 思うに、今の雑談は「相手と親しくなりたい」という思いで話しているから質問が自然に出てくるのです。

 図らずも、柿内さんが意識して変えた「雑談の目的」を実践していたというわけです。

 雑談は何を話してよいかがわからないから苦手という方。

 ぜひ、雑談に「相手と親しくなる」という目的を設定して、相手に質問を投げかけることを意識してみてください。たぶん、雑談の時間が短く感じられるようになります。

(文/西沢泰生)

【参考:『バナナの魅力を100文字で伝えてください』柿内尚文著/かんき出版】