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生き方

SNSで出会った女子と「スタバに行く感覚でホストクラブへ」、現役女子大生作家はなぜ歌舞伎町に魅せられたのか

SNSでの感想
佐々木チワワさん。愛らしい大きな瞳が印象的だった 撮影:齋藤周造
目次
  • 舞台に立つよりも裏方に興味があった幼少期
  • タクシーで高校に登校。AO入試で有名大学に
  • 18歳でホストクラブデビュー。スタバに行く感覚だった

「知り合いはめちゃくちゃ多いけれど、友だちは少ないほうだと思いますね」

 スタイリッシュな黒色のコートに身を包む、マスク姿の女性。一見、ファッション系のインフルエンサーのようにも見えるが、彼女の正体は「歌舞伎町の社会学」を研究している佐々木チワワさん。10代のころから歌舞伎町に出入りし、そのフィールドワークをまとめた『「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認』(扶桑社)を昨年12月に出版した作家でもある。

 2000年生まれの現役女子大生でもある佐々木さんに、Z世代(※)という立場から、ご自身の興味の変遷や、どうして歌舞伎町という街に魅せられたのか語ってもらった。
【※ おおむね1990年後半から2010年ごろまでに生まれた人を指す。物心がついたころからデジタル技術が発達しており、インターネットやSNSを使っての情報収集・情報発信力に長けているところが特徴のひとつ】

◇    ◇    ◇

舞台に立つよりも裏方に興味があった幼少期

──子どものころは、どういうタイプの子でしたか?

「幼稚園でやった劇で黒子に目覚めて、小道具をステージから見えないように動かしたりしていました。昔から、舞台をいかに完成させるかが好きだったんです」

──もともと、人前に出るのは苦手だったのですか?

「親が私に子役をやらせたかったようで、歌やダンス、ピアノを習っていました。親は伝統芸能にも私を触れさせたかったようで、能や歌舞伎、オペラに『シルク・ドゥ・ソレイユ』と、いろいろ連れて行ってもらいました。劇団四季の『ライオンキング』を観に行ったときに、“(舞台に)出たい”と言ってほしかったらしいんですけど、私は“ヌーの大群のシーンを後ろから見たい”と言ったみたいで

──そのころから、物事を俯瞰(ふかん)する姿勢があったのですね。

「親からも、“俯瞰的に見るようなメタ視点があるから、確かに演者向きではない”って言われました。子どものころから、物を作ることを考えるのが楽しかった。自分がスポットライトを浴びたいというより、物事の完成度を上げたいって思っていましたね。人と人とのクリエイティブが化学反応を起こして、よりよいものが生まれていく瞬間が好きなんです

──物づくりにも以前から興味があったのですか。

「物づくりはずっと好きで、中学校でも体育祭のビデオ編集を引き受けたりしていました。高校でも、複数の学校が参加する“イベント団体”に登録し、そこで映像作品を作ったことがありました。私が描いたコンテを友達の演出が上回ったりして。そういう瞬間がすごい楽しかったのを覚えています」

──いろいろな表現法があるなかで、書く仕事を選ばれた理由はありますか?

「企画して自分で作るのが好きですが、映像や漫画には技術がいる。でも、文章なら自分にも書けると思ったんですそれで、高1からライターを始めました

──最初はどういったものを書かれていましたか?

十代向けのコラムサイトで、“女子高生が選ぶ〇〇”とか、“冬デートのモテテク”みたいなものを書いていましたね。映画の宣伝企画では芸能人を取材する機会もあり、そのときにインタビュースキルはけっこう身についたと思っています

高校時代から、さまざまな活動を通して経験を積んでいたという 撮影:齋藤周造
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