タクシーで高校に登校。AO入試で有名大学に

──現在は、大学にも通われているのですよね。

「SFC(慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス)です。AO入試(※)を知って、“自分のやりたいことをやって大学に行けるなんて最高じゃん!”と思い、SFCを志しました。授業の自由度や、研究会を在学中に変えられるのも魅力で。“受かるためには今のままじゃだめだ!”と、高1から実績を積み重ねていきました」
【※ 高校における成績、小論文や自己PRのための提出書類、面接などで人物の個性や適性を評価し、合否を判断する選抜制度】

──すごい志ですね。

「高3になったとき、ライターとしての活動も実績として書類に入れました。添付資料を200枚近く作り、そのときにデザインとか、人に見やすく伝えるレイアウトとかも考えるようになりました。AO入試によって徹底的に自己分析をした経験は、今でも生きていると思います

──高校時代は、ライターをやりながらで忙しかったのですか。

「高校の時、頻繁にタクシーで学校に通ってました。朝が起きられなくて、学校までは電車だと30分、タクシーなら10分で着けるので。原稿を1本書けば、タクシーに2回乗れる。ライターの原稿料が、ほとんどタクシー代みたいな(笑)。高校の単位を取るためにタクシーを使っていましたね」

──歌舞伎町の研究はいつから始めたのですか?

「大学に入ってから始めました。高校時代はビジコン(ビジネスコンテスト)に参加していて、近い世代の有名な起業家も同期だったんですよ。だから私のコミュニティは、ビジコン界隈(かいわい)やFacebookの“意識高い系”界隈と、歌舞伎町の2軸なんですよね

──起業にも興味があるのですか?

「実は『MAKERS UNIVERSITY』という起業家を志す若者のコミュニティに所属していて、起業を目指す同年代の人たちとクリエイティブなことをするのがすごく好きです。本当はビジネスにも興味があるけれど、ビジネスと作家と学生、3つのかけもちはキツくて。もしも起業するなら、立ち上げからフルコミットするべきだと思うし、仲間に迷惑をかけるのが嫌で、ファウンダー(創業者)の一員から抜けたりしたこともありました

──具体的にはどのようなビジネスを行おうと思っていましたか?

「2021年の3月くらいには、デジタルチップのサービスを開発しようとしていました」

──どういうサービスですか?

「タクシーや飲食店でよくしてもらったら、チップを渡せるようにするサービスです。チップをプラス料金で上乗せする。もらったチップの量は可視化して、見た人も“この店はチップが多い店だ”とわかるんです。ありがとうの気持ちを金銭で伝えられる仕組みです。伝えることって大事だと思うんですよね。今は友人が開発を続けています」

──斬新なサービスですね。

「キャバクラやホストとかでも、“人の行為”にお金を払うじゃないですか。逆に言えば、日常生活のなかにも、もっとお金が発生してもいい場面があるんじゃないかって気づいたんです。うれしい行為に対して、お金で感謝を示せるようにしたかった。そこにもっと価値を見いだしたほうがいいだろうって思ったのは、歌舞伎町がきっかけでした」

耳のあたりからのぞく、ピンク色のインナーカラーにドキリ 撮影:齋藤周造