赴任先でうまくやるためには!? 転妻ライフハックあれこれ

加藤私はどこに行くにしても、“転勤で来たんですけど”って、前置きをする癖がつきましたね。そうすると、相手も“言葉が通じなくても仕方がない”って、わかってくるんです。だから不自由を感じたことはないかな。とにかく“わからなくてもしょうがない”っていうオーラを、全面に出しておく(笑)」

──地域によっては、外から来た人に敏感な場合もありますよね。子どものころに住んでいた地域では、持ち家率が高かったので、わざわざ「あなたの家は賃貸なのね」と言われたりもしました。そのたびに私も「東京から来ました」と言っていました。そのような、転勤族ならではのライフハックはありますか?

入間川「福岡で住んでいるエリアが、“転勤族村”って呼ばれるくらい、転勤族ばかり住んでいます。同じような立場の人が住んでいる場所なら、自分への精神的な負担も減らせるし、横のつながりも持ちやすい。子どもたちの転入先を考えるときも、それを重視しました」

尾田「やっぱり住むエリアって重要。私も子どもの転入や、転勤族が多いところを狙います。転妻になってから嗅覚が働くようになって、“ここはヤバいところかも”って察知できるようになりましたね。加藤さんもそうじゃないですか? 」

「住居で失敗するわけにはいかないですからね……!」と尾田さん

加藤「そうです、そうです。不動産屋の建物とかを見ただけで、わかるようになりました(笑)。転勤族にとって、家を探すのってギャンブルですよね

──私も親に連れていかれて、一度に3軒くらい内覧に行って決めました。

尾田「うちは内覧をしたことがなくて、インターネットでの検索や、送られてくるファックスの図面を見て決めていました。最近は、グーグルマップで近隣の道も見ています」

──今は調べれば情報を得られるので、いい時代になりましたよね。私が子どものころは、引っ越し先が治安の悪い地域だったこともありました。

尾田「会社の同僚も転勤族なので、“どの小学校に通わせているんですか”って、先に赴任している人に聞いたりしましたね」

加藤「福岡は空港線沿いが、転出する人が多い。大きい会社が沿線上にあるから、そこに住む人が多いんです。名古屋は、市営地下鉄の東山線などに転勤族が多い傾向はありますね」

──東山線沿線では、幼稚園も1年ごとにクラスの半数が入れ変わるっていう話を聞いたことがあります。

入間川「今通わせている福岡の小学校がそんな感じですね。生徒がぐるぐる入れ替わります

──一説には、リモートワークが定着して、転勤が減るというウワサですが……。

 一同、苦笑い。

入間川「早く、日本じゅうの会社にそういう時代がきてほしいですね……(笑)」

 旅行に行くのだけでは見えてこない、それぞれの土地の文化。次回は、スポーツにまつわる地元愛の大きさや、雪国での“死と隣り合わせ”の生活などについて語ってもらいます!

(取材・文/池守りぜね)

【取材協力:『転勤族協会TKT48』URL→http://tkt48.net/