アレルギーがあっても食べられるプリンを
──『植物生まれのプッチンプリン』という商品もラインナップに加わっていますね。
「この商品を販売している背景には、“卵・乳アレルギーがあってプリンを食べたことがない。食べられない”というお問い合わせがあったのがきっかけなんです。最初はアレルギーフリーで、アレルゲンとなる食材を全く使わないでプリンを作ろうとしました。すると、味の面でうまくいかない。でもプッチンプリンを食べられなかった方々に、他の人と一緒の味や食感を楽しんでいただけるようにしたい。そこから、アレルギー専用ではなく、みんなが食べられるプリンを提供できるようにしたいという気持ちに変わったんです」
──あくまで、プッチンプリンの中のラインナップの1つという位置づけなのですね。
「アレルギーの方だけではなく、何か理由があって食べられない方や、信条・宗教やライフスタイルで避けている方。そういう方でも一緒に食べられるプリンというのが今のコンセプトです。発売後は、お客様から“ありがとうございます”という声もいただきました」
──定番中の定番のプッチンプリンですが、おすすめの食べ方はありますか?
「やはり、カップのまま食べるのではなく、カップのつまみをプッチンしてお皿に出していただきたいですね。また、夏にプリンは敬遠されがちなのですが、ふたを開けてスプーンなどを真ん中にさしてから、凍らせて食べるのもおすすめです。通常はプリンを冷凍すると水っぽくなるのですが、プッチンプリンは生乳、練乳、バターを使っているので、濃厚な味は残ります。アイスでもプリンでもない食感で。プッチンしてカップから抜いて食べると、棒アイスのように、かじりつくみたいな感じで楽しめます。
冬におすすめなのは、フレンチトーストです。プリンは温めると溶けるという性質をもっているので、電子レンジにかけて液体にしたプッチンプリンにパンを浸して焼くだけで、フレンチトーストが作れます」
──プッチンプリン50周年の企画はありますか?
「4月4日より、リニューアルされたプッチンプリンの販売を行います。今回は原料を一から見直し、添加物を使わない取り組みにチャレンジしています。新たに着色料を使わないようにして、着色料、保存料、人工甘味料が不使用となりました」
──より自然な原料で作られるようになったのですね。ほかにも変わった部分はありますか?
「リニューアルでは北海道産の生クリームが追加されます。北海道産の練乳に加え、ミルクのコクも強化しています。卵も、餌にこだわった国産卵を複数ブレンドして使っています」
──味は変わらないのでしょうか。
「ユーザーの方は敏感なので、気づいていただけると思いますね。こちらも気づいていただけたことに、いつもびっくりするほどです。今回は、素材もすごく見直しています。使わなくていい物を使わず、別の素材に置き換えたりする取り組みをしています。プッチンプリンならではの、こだわりのおいしさを追求したので、店頭で見かけたら手に取ってみてください」
プチっとつまみを倒せば、プルンとプリンが飛び出す。飽きがこないシンプルな味と、変わらないプリンのパッケージ。50年も愛されているベストセラー商品は、常に進化し続けていました。
(取材・文/池守りぜね)