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「1日1フム」生活。- フムフムニュース -
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動物園や水族館で会える動物たちには、一見するだけではわからない生態や習慣があります。そんな「フムフム」できる動物たちの知識を元飼育員のライター/動物イラストレーターの三日月影狼さんが教えてくれます。もっと動物が好きになること間違いなし!

どうぶつフムフム事典

近い将来、水族館で見られなくなるかも!? ラッコの知られざる生態「秘密のポケット」と「モッフモフの理由」

SNSでの感想
モッフモフな体とぬいぐるみのような顔立ちがかわいいと大人気のラッコ
目次
  • ラッコにはポケットがあるって本当?
  • なぜラッコは冷たい水の中でも凍えないの?
  • ラッコは海の中でどうやって眠っているの?
  • 日本でラッコが見られなくなるかもしれないって本当?

 誰と行ってもいつ行っても、楽しくて癒やされる施設・水族館。そんな水族館のアイドルといえば? と聞かれたら、どんな動物を思い浮かべますか? すてきなパフォーマンスを見せてくれるイルカやペンギンが好き! という方もいれば、ゆったりと観察できるチンアナゴやクラゲが好きという方もいることでしょう。そしてぬいぐるみのような顔とモッフモフな体を持つ、ラッコが大好き! という方も多いのではないでしょうか。

 そう、今回の記事の主役は……水族館のアイドル「ラッコ」です! 身近な存在のようで意外とその生態を知らない動物、ラッコの“フムフム”に迫っていきましょう。

ラッコの基本情報
分類:食肉目イタチ科ラッコ属
生息地:北太平洋(北海道周辺からオホーツク海、カムチャツカ半島、アリューシャン列島および北アメリカの沿岸部)
大きさ:体長・約1.4m、体重・オス27~38.6kg メス・16~27kg

ラッコにはポケットがあるって本当?

 本当です。ラッコにはわきの下にある皮膚のたるみをポケットのように使って、食べ物や貝を割るために使うお気に入りの石などを持ち運ぶ習性があります。“ラッコのポケット”と聞くとなにやらかわいらしく聞こえますが、カンガルーのように袋状になったポケットがあるわけではありません。あくまでわきの下に“ポケットのようなもの”があり、その中に大切なものをしまっているのです。

 ちなみにポケットのようなものといっても、その性能はポケットに勝るとも劣りません。なんとラッコが泳いでもジャンプしても、入れたものが簡単に落ちることはないんだとか……!

 しかし高性能なポケット(のようなもの)を持つラッコであっても、私たちと同じく大事な物をなくしてしまうこともあるようです。特にお気に入りの石をなくしてしまった場合はなかなか貝を割れず、食事に影響が出ることもあるんだとか。お気に入りの道具をなくしてしまうと生活に支障が出るなんて、まるで職人さんのようですね。

なぜラッコは冷たい水の中でも凍えないの?

 ところでラッコの平熱はどのくらいか知っていますか? ラッコの体温は私たちよりやや高めの37~38度ですが、彼らが住んでいる海域は水温が2~15度ととっても寒い場所です。私たちが常に2度の水につかっていたらあっという間に凍えてしまいますが、ラッコはなぜ冷たい水の中で暮らせるのでしょうか。

 その秘密の1つは、哺乳類の中でも“最も密度が高い”といわれている彼らの毛に隠されています。ラッコの毛は1平方センチに対し、なんと約10万本も生えているそう。人間の髪の毛が全体で10万本といわれているので、比べてみるとその密度のすごさがよくわかりますね。ラッコは毛の間に空気をためることによって断熱効果を高め、凍えるような寒さから身を守っているのです。

 もう1つの秘密は、ラッコが実は大食漢であること。ラッコは1日に体重の約20~30%に当たる量のエサを食べ、体温を維持しているのです。ラッコの体重を30kgと仮定すると、1日になんと6~9kgものエサを食べている計算になります。ちなみにこの量を人間に換算すると、体重が60kgの人が1日に12~18kgもの物を食べていることになります。すさまじい量だ……!

ラッコのエサは二枚貝、ウニ、アワビ、イカ、タコ、カニ、魚類、海藻など
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