毎朝、ニュースを見ながらストレッチ

──お忙しい毎日だと思いますが、プライベートで大事にしているのはどんな時間ですか?

やっぱり友達とお酒を飲んで、バカ話をするのが一番楽しいかな。でも、コロナ禍でなかなかそういう時間もなくて、家メシが多くなりましたけど

──舞台に向けての体づくりなど、日々の生活でこだわっていることやルーティンにされていることはありますか?

毎朝、起きたら緑茶を1杯飲んで、録りためたニュース番組を見ながらストレッチをします。けっこう念入りに、頭の上から爪先まで、関節という関節は全部見て回りたいので、1セットやると40分くらいかかってしまうんですけど。50代になると、朝起きたときの身体の動きがよくなかったりするので、ストレッチは大事だなと思いますね」

──その習慣は何年も続けていらっしゃるんですか?

「何年もじゃないですけど、書斎にこもって台本や資料を見たりして、机に向かうことがすごく多いので、椅子に座っている時間が長くなってしまうと、身体の血の巡りが悪くなるじゃないですか。ストレッチのあとはジョギングですね。毎日ではないですけど、時間があるときに8~10kmくらいを1時間くらいかけてゆっくり走ります。台詞を覚えながらだと、もっとゆっくりしたペースになりますけど。やっぱり有酸素運動がいちばん脂肪を燃焼できるので、減量にはおすすめです(笑)」

鍛えられた肉体は50代には見えない。内野聖陽さん 撮影/山田智絵

──食事のこだわりもありますか?

「朝ごはんは必ず食べるようにしています。ごはんと味噌汁と焼き魚みたいな定番の和食が基本になっていますね。あとは、納豆、キムチ、ヨーグルトなど発酵食品はとるように意識しています

──朝ごはんは大事ですか?

「そうですね。この仕事にいちばん大事な集中力は、朝ごはんをちゃんと食べないと出ないんです。役に向かうときって、気迫というか念力みたいな挑みかかるパワーがすごく重要なんですけど、空腹だと力が入らない。僕のパワーの源は朝ごはんです

──来年、俳優生活30周年を迎えられますが、演じることへの興味や思いは変化してくるものですか?

「そんなに経つんですね(笑)。作品によって、ありたい演技の形は少しずつ違う感じがするので、一概には言えませんけど。でも、役によって自分の興味の持ち方が変わってくるから、そのぶん興味も衰えないし、もっとこういう芝居がしたいという気持ちも強くなっていますね

──デビューされた頃と変わらず、役者という仕事が好きだという強い気持ちがおありになるんですね?

「強いかどうかはわかりませんけど(笑)、やるからには本気だから、というのはいつもあります

(取材・文/井ノ口裕子)

《PROFILE》
うちの・せいよう 1968年9月16日、神奈川県出身。’93年俳優デビューし初舞台を踏む。同年にドラマ『街角』(NHK)の主演に抜擢される。以来、舞台・映画・TVドラマと第一線で活躍。第33回紀伊國屋演劇賞個人賞、第6回読売演劇大賞最優秀男優賞、第44回モンテカルロ国際テレビ祭ゴールドニンフ賞(主演男優賞)、第31回菊田一夫演劇賞、第76回文化庁芸術祭賞演劇部門優秀賞など受賞歴多数。2021年、紫綬褒章を受章。近年の主な出演作に、【舞台】『ハムレット』(’17)、『最貧前線』(’19)、『化粧二題』(’19、’21)。【TVドラマ】『きのう何食べた?』(TX/’19)、『スローな武士にしてくれ』(NHK BS/’19)、『連続ドラマW 鉄の骨』(WOWOW/’20)、連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK/’21)。【映画】『初恋』(’20)、『ホムンクルス』(’21)、『劇場版 きのう何食べた?』(’21)、『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成』 (’22)など。

●公演情報
『M.バタフライ』“M. BUTTERFLY” By David Henry Hwang
原作:デイヴィット・ヘンリー・ファン
翻訳:吉田美枝
演出:日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)
出演:内野聖陽 岡本圭人 朝海ひかる 占部房子 藤谷理子 三上市朗 みのすけ
日程・会場:
【東京公演】2022年6月24日(金)~7月10日(日)新国立劇場 小劇場
【大阪公演】2022年7月13日(木)~7月15日(金)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
【福岡公演】2022年7月23日(土)、24日(日)キャナルシティ劇場
【愛知公演】2022年7月30日(土)、31日(日)ウインクあいち 大ホール
企画・制作:梅田芸術劇場

公式サイト:www.umegei.com/m-butterfly/