「ほんのちょっとのきっかけ」が、苦手な人を“ホラー沼”に引きずり込む
──いやぁ、全3回にわたって、めちゃめちゃ興味深い話をありがとうございました。最後に「ホラー映画はちょっと苦手だけど、これからチャレンジしたい」という人にメッセージをいただいてもいいですか?
「はい。一口に『ホラー映画』って言っても、“ショッキングなシーンに特化した作品”や“密室もの”、“サイコパス殺人鬼が出てくるスラッシャー映画”など、さまざまです。
なかでも苦手な人は、ミステリーのような“人間ドラマを中心にしてホラーのエッセンスを加えた作品”から入ることをおすすめしたいですね。ただのベタなドラマではなく、“ちょっとした非日常感”に楽しみを覚えていただけたら、それがホラーにハマるきっかけになるんじゃないかなって思います」
──人間食べ食べカエルさんもそうだったと思うんですが「ほんのちょっとのきっかけ」でびっくりするくらいハマることってありますよね。
「そうですね。私はテレビ放送がきっかけだったんですけど、今はネットも発達して、いろんなところで影響を受けられると思います。私の記事やTwitterの投稿が、ホラー映画にハマるきっかけになってくれたら嬉しいです」
作品を肯定的にとらえる「ピュアな目線」が自分も周囲も幸せにする
何らかのオタクが「ピュアな心を維持する」というのは、かなり大変なことだ。オタ活を続けるにつれて知識がたまり、表も裏も掘っていくと、ちょっと斜に構えてしまうことは多々ある。映画をはじめ小説、アニメなどの場合、知識を蓄積したオタクはいつの間にか「批評家」に変貌し、なぜか無意識に“減点式で作品を見てしまう病”に侵されがちだ。
その点、人間食べ食べカエルさんは「ずっとピュアにホラーを見ている」という点がすごい。もちろん知識量や過去の記憶はあれども、根底では慣れていない。人間食べ食べカエルさんのツイートや記事を見ていただけるとわかるが、基本的にものすごく肯定的な言葉が並んでいる。ピュアな心を忘れず“空っぽな状態”で映画に没入できるからこそ、加点式で映画を受け入れられるのだろう。だから、おすすめされる側もハッピーな気持ちになれるし、共感できるのだと感じた。
さて、日本列島には例年より早く猛暑が到来した。こんな暑い日こそホラー映画だ。部屋を暗くしてガタガタ震えながら見て涼んでみては? ……なんて、ベッタベタなパターンは、それこそ「振り返ったら化け物がいる」ってなもんで、この記事に絶対そぐわない。
ぶっちゃけ、ホラー映画に季節は関係ない。春夏秋冬いつだって「気になったときに見る」ものだ。もし見たい作品が決まってない方は、人間食べ食べカエルのアカウントをのぞいてみるといい。そこには、初心者のあなたが共感できる「ピュアな視点で紹介するおすすめホラー」も取りそろえられている。
(取材・文/ジュウ・ショ)