企業サイトの制作費はおよそ100万円から
──デザイン性に優れたブランドサイトの制作を依頼するとなると、やっぱりそれなりの予算がかかるのでは……?
「だいたいの相場で言えば、ビジュアルグラフィックを作ったり、簡易な撮影が入る中堅規模の企業のコーポレートサイト、ブランドサイトで100万~300万円くらいです。大手広告代理店が手がけるようなプロモーション要素が強い大企業のウェブサイトになると料金はその10倍くらいになりますが、モデルを起用してプロモーション動画を撮影するとか、情報量が多くてページ数が膨大になるとか、複雑なシステムが絡んでいない限り、制作費だけで3000万円を超えるようなケースはほとんどありません。
ミニマムな例を挙げると、LP(ランディングページ)と呼ばれるサイトで30万~50万円くらいの印象ですかね。LPというのは1ページに情報を凝縮した縦長のサイトで、美容クリニックの予約やダイエット商品の購入サイトなどでよく利用されています。制作費はそれほど高くありませんが、リッチな仕上がりにしたり、専門性が高く校閲(内容に誤りがないかをチェックする作業)に時間がかかるような場合は100万円を超えることもあります」
──なるほど。では、一般的なブランドサイトの場合、依頼を受けてから完成、納品まで、どのくらいの期間で制作するんですか?
「クライアントがしっかりしたイメージを持っていて、オペレーション的に制作する場合と、私たちがコンセプトや戦略から考えて制作にあたる場合とで違いが出てきます。動画の撮影などが必要になればまた違ってきますが、だいたいの制作期間は3か月~半年くらいだと思ってください」
──そんなにかかるんですか?
「はい。その間、撮影現場の進行や広告の準備、印刷を含めた販促の進行をしながら、他のクライアントさんとのお取引を進めることがほとんどなので、頭の切り替えが大変です。同時に抱えられる仕事は5本が限界かなと思います」
ユーザーの注目を集めたり、企業のイメージを高めたりするサイトを作るには、専門的な知識やノウハウが必要とのことです。次回は、人気のウェブサイトがどのように作られるのかを探っていきます。
◎第2回:【Webディレクター#2】デザイナー、エンジニアのポテンシャルを引き出すのが優秀なディレクター(8月12日18時公開予定)
(取材・文/降旗学)