フムフムな発見2:英語でUV(ウルトラバイオレット)を日本語だと“紫外線”と言うのはなぜ?
──そもそも、どうしてUV(ウルトラバイオレット)を“紫外線”と言うんですか?
「それにはまず“可視光線”についてご説明しなければならないのですが、可視光線というのは目に見える光のことで、わかりやすく言えば“7色の虹”です。プリズムを通すと、光は“波長”の違いによって7色に分類されます。この分類を“スペクトル”と言いますが、可視光線は波長が長いと赤色に見え、波長が短いと紫色に見えます」
──波長が長いというのは……?
「光は波のような性質を持っていて、波長が長いと波のかたちが緩やかで、光の持つエネルギーも弱くなります。逆に波長が短いと、バネみたいにギザギザした感じになってエネルギーも強くなります。
赤外線は波長が長く、エネルギーも弱いので人体に急激なダメージを与えることはないのですが、波長が短い紫外線はエネルギーも強くなるのでそれだけ人体に与えるダメージも大きくなり、注意が必要になるんです」
「可視光線は波長が短い順に、“紫→青→緑→黄色→オレンジ→赤”と並びます。紫色の可視光線よりもさらに波長が短く、可視光線に含まれない(=目に見えない)光が“紫外線”です」
──可視光線という枠でくくった“外”にあるから紫外線?
「そうです。“紫”色の“外”にある“光線”だから“紫外線”です。逆に波長が長く、可視光線の赤色の外側にある光が“赤外線”です」
──誰が考えたんだろう。やっぱり高名な科学者が命名したのでしょうか?
「すみません、そこまではちょっとわからないんですが……、日本語に翻訳するときにどなたかが考えた造語だと思いますが、すごいセンスですよね」
紫外線と赤外線の違いや、紫外線に気をつけなければならない理由がちょっとわかってきました。では、どんなふうに気をつければ紫外線を予防できるのか、次回も引き続きコーセーの研究員・後藤祐一郎さんにお話を伺います。
◎第2回:【紫外線#2】UVBは肌に急激なダメージを与え、UVAはジワジワとダメージを与える(8月13日13時公開予定)
(取材・文/志谷恭作)