フムフムな発見6:ゴキブリもヘビやセミみたいに脱皮をする?

──ほかにもゴキブリについて意外な情報はありますか?

「実は、ゴキブリも脱皮をします。脱皮した直後のゴキブリは真っ白で、体も非常に柔らかいんです。ゴキブリは飢えていると共食いもするので、脱皮したばかりのゴキブリは仲間に食べられることがあります。わたしも見たことがあるのですが、脱皮するときは無防備なので、餌がないと襲われやすいんです」

──ゴキブリが脱皮をするなんて、まったく知りませんでした。脱皮も命がけですね。

「だから人目に触れるような場所で脱皮することはありません。飼育していると、脱皮するところを見ることができますけど、一般家庭ではまず見られないでしょう。脱皮してすぐの状態で見つかると、簡単に駆除される可能性が高くなりますから」

──脱皮した殻も見たことがありません。

脱皮殻も自分で食べるから、人目につかないんです。ゴキブリは脱皮した抜け殻を食べて、自分の栄養にします

──ゴキブリが脱皮するのは1回だけですか?

「いえ、何度か繰り返します。チャバネゴキブリで5~6回、クロゴキブリで10回前後です。脱皮を繰り返して、最後に羽が生えると成虫になるので、それ以上は脱皮することはありません。脱皮した直後は真っ白ですが、1日たつと黒くなります

フムフムな発見7:『ブラックキャップ』は共食いをする習性を利用!

──ゴキブリは『ブラックキャップ』を食べた仲間が吐き戻した吐瀉(としゃ)物や糞(ふん)、死骸を食べて倒れてしまいますね。

『ブラックキャップ』に含まれるフィプロニルという有効成分を摂取すると、ゴキブリは興奮が止まらなくなります。有効成分が神経の伝達や筋収縮、感覚などに作用して興奮した状態が続き、最終的にはひっくり返って死んでしまいます。

 フィプロニルは摂取後も成分が分解されずに、そのまま死骸や排せつ物に残ります。だから、ゴキブリが共食いをして仲間の死骸を食べると、それはそのままフィプロニルを摂取することになるんですね。『ブラックキャップ』はゴキブリが共食いをする習性を利用した商品なんです」

『ブラックキャップ』。ゴキブリが共食いをする習性を利用して開発された。写真提供:アース製薬株式会社