仲よしの女芸人がアプリ婚。“好青年がいるなら”と始めてみたものの

──使う前のマッチングアプリの印象はどうでしたか?

「当時、『Tinder(ティンダー)』とかが流行(はや)っていて。そのころは、“マッチングアプリは、なんか怖い”っていうイメージでしたね。実際にTinderをちょっと覗いてみたら、韓流スター並みのイケメンの写真が出てきて、“このレベルが何人も存在しているとか、うそでしょ!? 出会えたとしても、山奥とかに連れていかれるんじゃ……”ってビビっていました(笑)」

──でも、失恋がきっかけで登録をされたんですよね。

マッチングアプリって、私に限らず、失恋後に登録する人がめちゃくちゃ多いんですよ。これまで出会った男性たちに、最初に“なんで登録したんですか”って聞くと、“最近、別れちゃって”って、みんな言うんです。女性の場合は婚活目当ての人も多いけれど、男性の多くは、すぐに結婚モードにはならない。失恋の傷を埋めるために登録している人も多いなと感じます

──失恋後にまたすぐ恋愛するのは、パワーがいると思うのですが……。

「今はもう大丈夫ですけど、私は別れたあと、ショックが結構でかくて(笑)。元カレとダメになったときは34歳で、5年も付き合ったのにフラれて、自信がなくなっていた。でも、アプリを始めてみると、バーって『いいね』が付くんです。マッチングアプリって、承認欲求がめちゃくちゃ満たされるんですよ!

──そのときは、アプリで出会った方と実際に付き合ったりはされましたか?

「いえ。真剣交際は元カレ以降、なかったんですよね。そしたらコロナ禍になって、仕事も止まってしまった。アプリもやめて引きこもろうと思っていた矢先に、仲のよかった女芸人が、付き合って1か月で“アプリ婚”をしたんですよ! 名前を出すなってクギを刺されているけど、言いたくて仕方ないんですが(笑)。彼女はきれいだけど9年間、彼氏がいなかったし、“まだ結婚しないだろう”って安心していたんです。それが、マッチングアプリで出会った相手と電撃婚って言うから、こちらも動揺しましたね。しかも、同年代でスペックもよくて、“まともな好青年がよく余っていたな~”みたいな」

──そこで、マッチングアプリへの偏見が消えたんですね。

「それまでは、アプリを使ってはいたものの、若い男性だと遊んでいそうだし、年上だと、ちょっと生理的に受けつけられないような相手しかいないと思っていたんですよ。だけど、アプリ婚を目の当たりにして感動したし、“またやってみようかな~”っていう軽いノリで再開しましたね。その年はコロナの影響で実家にも帰れなくて、“本当に自分はひとりなんだな”って感じて寂しかった。気づいたら、大みそかに紅白も観ないで、ひたすらマッチングアプリをいじっていましたね

“OL風ファッション”の全身ショット。2020年の大みそかを機に、小出さんのマッチングアプリ無双が始まった…… 撮影/山田智絵

1日に3~5人の男性とアポがある日も。約2年で100人超に!

──いづごろマッチングアプリに“出戻り”されたんでしょうか。

「今から5年くらい前の失恋後に登録をして、1回やめたあと、2020年の年末にまた始めました。合わせて約2年間ほど使っているなかで、100人くらいの人に会っていますね。気合いをいれていた時期は、1か月に20人とか会っていました。アポ(アポイントメント)を1日3ステくらい入れていたので

──“3ステ”ってなんですか? 聞きなれない言葉ですが……。

「モノマネの営業のときに使う言葉ですね。“3ステージ”っていう意味で、アプリでアポを数えるときに使っていました(笑)。例えば、3ステだと、1ステ目はランチ、2ステ目はお茶、3ステ目がディナー。最高で1日に5ステ入れたこともあるんですよ。ブランチ、ランチ、お茶、ディナー、最後はビデオ通話ですね

──一度に何人もの男性と会っていると、相手の名前とか間違えたりしないですか?

名前は間違えないんですけど、個人情報は間違えますね。実際、相手の職業とか部活とかを間違えまくったし……。“学生のとき、バスケをされていたんですよね”って言ったら、“違います、野球ですよ”みたいな(笑)」

──複数の人と同時進行で進める場合は、本命にはいつ会うのですか?

本命はディナーですね。5ステでのディナーがうまくいったときは、そのあとのビデオ通話はキャンセルしたりもします。ビデオ通話の約束は、向こうも“僕ももし仕事が早く終わったら”って言い方をしてくれることが多いので、リスケもしやすいんですよ。会ってご飯を食べてみるのは面倒くさいなっていうときは、短めのビデオ通話がオススメですね