会った相手のデータはノートに記入。既婚者がひそんでいたことも

──小出さんは、マッチングアプリで出会った相手のことを、ノートに記録されているんですよね。ものすごくマメですよね。

「そうなんですよ。でも、学生時代に『ボキャブラ天国』を観ていたときも、ノートにデータをつけていたんです。基本、根がモテないっていうか。こういうことやっている人って、きっとモテないじゃないですか(笑)。例えば、このノートには何が書いてあるだろう。(開いたページを見ながら)アプリの◯◯と△△には遊び人が多い、××は、オエーッ!

──(笑)。なかなかリアルですね。会った男性ごとの印象や会話のハイライトなども記入されているんですよね。これだけデータを持っている人って、珍しいと思いますよ。

「よく“(自分は)真保ちゃんみたいにマメじゃないよ”って言われるけれど、私はこの作業を面倒くさいと思わないんですよ。勉強とかは全然好きじゃなかったけれど、マッチングアプリのデータをつけるのは好きなんです。マッチングアプリって、ちょっとゲームの要素があるんですよね。どんな人が出てくるか=ガチャガチャだし、いい男をゲットする過程=ポケットモンスターだったり、モンスターハンターだったりしてワクワクするんです

──ちなみに、ご自身の職業について、男性にはなんて伝えているんですか。

「職業を聞かれたら、“マスコミ関係なんです”って言っています。間違っていないですよね(笑)。男性には、“アプリで会うのはあなたが3人目”とかって言っているんですけど、“なんでそんなに慣れているの”って言われたこともありますね。“ヤバい!”って思って。まさか、“実はあなたで80人目です”なんて言えないなって(笑)」

小出さんがアプリのプロフィールにアップしていた写真の1枚。「3、4枚目には、ちょっと“ハズした写真”を入れてみるものオススメ」とのこと 写真/本人提供

──(笑)。実際、マッチングアプリでは、偽のプロフィールで登録している人もいそうです。どうやって見わけていますか。

「一度会ってから、2回、3回と会う人の割合が少ないので、うそを書いている人がいたかもしれないですね。でも、気づかなかったです。既婚者をカミングアウトしてきた人は2人いました。プロフィール画像で、首から上が写っていない男性で、首から下がムキムキマッチョだったんですよ。気になって会ってみたら、画像のイメージとは別人が来て、しかも既婚者でした……

──マッチングアプリでは、理想どおりの相手と出会うのは難しいのでしょうか。小出さんはアプリを何社、使っていますか?

最多のときは全部で13社、使っていましたね。アプリによって、登録している層って違うんですよ。だから、いろいろやってみるのはオススメですね。今メインでやっているのは8社です。課金はしたことがないのですが、これまでを振り返ると、男性は有料会員になっている人のほうが“しっかりした人”が多いっていうことは言えます

──それだけアプリを駆使していると、知り合いが出てきたりしませんか?

「今のところ知り合いはないのですが、“見たことあるな”と思ったら、別のアプリにも登録している人だった、ってことはありますね。『with』で男性を探しているときに、“この人、この前『Pairs』で見たな”とか。あとは、昨年にマッチ(マッチング)した人と、今年またマッチしましたね。お互い忘れていて(笑)

「再マッチしたときは、あちゃ〜! と思いましたね」と小出さん  撮影/山田智絵

同時進行は「よくあること」、ドタキャンと遅刻だけはしない

──ちなみに、どれくらいの時間をマッチングアプリに費やしていますか?

「私、以前、iPhoneの『スクリーンタイム』で、マッチングアプリ系の使用時間が“18時間”って表示されていたんですよ」

──『スクリーンタイム』って、スマホを見ている時間ですよね。18時間ですか!?

「親指も腱鞘炎みたいになっちゃって(笑)。本当、ガチャガチャと一緒で、中毒性があるんですよ。でも、会いすぎると、自分は実際、どんな人と相性が合うのか、わからなくなってくる。初対面のどんな男性とも仲よくできるようになっちゃったときに、自分という人間さえもわからなくなりましたね……

──そんななかで、同時進行で何人もの人と会い続けることが嫌になったりしませんか?

「今のところはまだ、“それでも、いい相手と巡り合いたい”という気持ちがありますね。あと、“相手に悪い”だとか、変なまじめさがあって同時進行ができない人もいるって聞くし、“面倒くさい”って言う意見も聞きます。でも私は、アプリで複数の人とやりとりをするのが面倒くさいっていう気持ち、まったくわからないんですよね。相手に対して、まじめに向き合う気持ちはわかるんですけど……。持論としては、相手に対して誠実になるのは、付き合ってからでいい。男性側も、基本的には付き合ったりしない限り責任を取らないんだから、同時進行がオススメです(笑)。そして、自分が傷つかないためにも、“同時進行はお互い、よくあること”と割り切るしかないですね

──そこが、次の相手がすぐ見つかるマッチングアプリの特色なのかもしれないですね。

「賛否両論だと思うんですが、マッチングアプリの出会いは“そういうものだ”って思ってほしい。“細かいことを気にしないほうがいいよ”って思います。でも、約束の前日や当日にいきなり相手が退会していて、連絡が取れなくなったとかいうケースは、最低のドタキャンですけど。私は、会う場合には“ドタキャンと遅刻だけはしない”というルールを決めているんです。それと、デートのあとに必ず、“お時間を作ってくれてありがとうございました”っていうお礼は送りますね

取材陣にも、明るく爽やかにお礼やあいさつをしてくれた小出さん。礼儀正しく振る舞うことは、マッチングアプリにおいても好かれる要素なのだなと感じました 撮影/山田智絵

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 小出さんならではの“マッチングアプリ哲学”がたくさん垣間見えました。インタビュー第2弾(2022年8月27日20時公開)では、小出さんがアプリで出会い、強烈なインパクトを残した男性たちの衝撃エピソードや、ご自身の恋愛のゴールなどについてお聞きしています。

(取材・文/池守りぜね)


【PROFILE】
小出真保(こいで・まほ) ◎長野県上田市出身。太田プロダクション所属のモノマネ芸人。『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』(フジテレビ系)での優勝経験あり。近年はナレーションやコラム執筆も積極的に行うなど、活躍の場を広げるかたわら、マッチングアプリを駆使し、約2年で100人以上の男性と会い、真実の愛を探している。

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