“ヤバすぎる男性たち”との忘れられないエピソードの数々

──100人以上の男性と会ったなかで、特に「ヤバかったなあ」と思った男性を教えていただけますか。

「自分のなかで“ひどかった男性ベスト10”っていうのがあって、1位が“目黒川3時間男”、2位が、“より人間に近い蛇さん”ですね」

──ネーミング(笑)。どちらも気になりますが、まず、“目黒川3時間男”は、どういう人だったんですか?

「目黒駅で待ち合わせをしたんですが、すぐに店とかには行かないんです。雨の日なのに、目黒川に沿って3時間も歩かされたんですよね。“桜も咲いていないのに、なんでだろう”って思いながら、びしょびしょになってきたし、“いいかげん、お店に入りませんか?”って言ったら、しぶしぶ入ったところが『サイゼリヤ』で。

 席に座ったら、(首をすくめがら)“僕ぅ、人間不信なんですよね~”って言いだしたんです。“怖っ~”って思っていたら、“さっきの3時間、真保さんを研究させてもらいました”って。そうしたら、“しゃべり方がおかしい”って言うので、芸人だっていうことを伝えたら、ドヤ顔で、“なるほどな! よくも悪くも芸能人だな! 今もカメラとか意識してる感じ? ”ってつっかかってきて。帰り道でどっと疲れがきて、そのあと5日間、寝込みましたね

──では、2位の、“より人間に近い蛇さん”もクセがすごそうですが……。

「彼は、ルックスが蛇に似ていたんです。でも人間なので、より人間に近い蛇(笑)。口説き方が独特な人で、日比谷線のホームで叫ばれました。(もじもじしながら)“お願いですから、手をつながせてくださいー! ”って。その前に上野公園で、“どうしたらモテるんですか”って聞かれていたので、思わず“だからモテないんですよ”って言っちゃいましたね。あとは、“汽車ポッポおじさん”も、なかなかすごい人でした」

──まだあるんですね!

「汽車ポッポおじさんとは、一緒に焼き鳥を食べたんですが、相性が合わないと感じたので“2回目(のデート)はないな……”って思っていたんです。店を出て、電車の駅まで一緒になるのが気まずかったので“私は歩いて帰りますね〜”と別れるつもりが、“僕も歩きたいな”って、ついてきちゃったんです。“また会話しなきゃ……”って思っていたら、その男性が私の後ろに回り始めて、体育の整列みたいな並びになったんです。どうしたんだろうって思ったら、突然、肩をガバってつかまれて! びっくりして、“ギャーー!! なにするんですか!?!?”って叫んで振り返ったら、“いやあ、汽車ポッポしたくて……”って言うんですよ

小出さんのノートには、男性たちのデータがきっしり 撮影/山田智絵

──(笑)。どの男性もインパクトがありますね。

「でもまあ、汽車ポッポおじさんは、まだ可愛さがありますからね。あと、私としては、別の男性にコンビニでお金を出しておいてって言われたことが、いちばん悲しかったですね」

──それはどういうシチュエーションでしたか?

「3回目のデートまで進んだ相手だったのですが、ランチを割り勘にしたあとに、コンビニで買い物をしたら“(お金を)出しておいて”って言われたんです。しかも、“これから真保さんの家まで行くから”って言われて。“まだ付き合ってないよ……”って、心の中でツッコミましたけど。そうしたら、“この前のデートで、俺、全部出したじゃん”って言うんです。そんな初回デートで払ってくれたことを持ち出すなんて……と、がっかりしましたね。3回会っていただけに、わりと気に入っていたので、すごく落ち込みました

──強烈な経験をされていますが、アプリをやめようとは思わないんですか。

なんか、どういう状況でも、面白がっちゃうんですよね。コミュニケーションが一方的な人は、やっぱり怖いですが。だけど私は人間が好きで、人間観察も大好きなんです。さらに、もともとオタク気質というか、会った人たちのデータをとる楽しみもある。あと、アプリをやっているときは、“生きてる!”って強く実感できるんですよね。ぶっちゃけ、モノマネよりも、アプリでの出会いを通してのほうが、多くのネタを生み出しているかも。“1年間で100ネタもできた”みたいな。だから、会ってみてちょっと変な人でも、とりあえず話してみるようにしています」

──それだけ人間力のある小出さんが、すぐに帰りたくなった相手とかはいましたか?

「1人だけいました! もう、30分間まったく何もしゃべらない。“へ~なるほどね”しか発さない男性がいたんですよ。だから、“へ~なるほどね男”(笑)。会った瞬間に、私のてっぺんからつま先まで、なめるようにじーっと見てきて、そこでも“へ~なるほどね”って。へ〜なるほどね男さんだけは、会って30分で小芝居を打って、帰らせてもらいました」

へ〜なるほどね男さんの話には、取材陣も大爆笑! 撮影/山田智絵