「毎日、死にたかった」私のもとに突然届いた、まさかのメッセージ

 それでも私は、48グループのオーディションが開催されるたび、応募書類を送っていた。しかし、結果はことごとく落選。

 どんどん上がる年齢、どうしても可愛くない顔、周りからの「AKBに落ちた子だ」という冷ややかな目。焦りとストレスで摂食障害にもなり、現在も寛解はしたものの、完治はしていない。

 そのまま、オーディションを受ける資格すら失う年齢になってしまった。

 その後、歌って踊ることが諦めきれず、友人の所属するアイドルグループに所属させてもらったが、就職の関係で半年で卒業することになってしまった。

卒業公演でファンの方からもらったお花と。不完全燃焼ではあったが、楽しいアイドル生活だった

 もともと私の顔でアイドルをやって食っていけるはずがないとわかっていたので、せっかく東大にも入ったし、就職することは決めていた。

 それなりの企業に入社し、それなりに稼ぎ、それなりに生きていたが、やはり私はアイドルになりたかった。このまま人生が終息していくと思うと気が狂いそうだった。後悔がヤバくて毎日、死にたかった。

 そんなとき、現在アイドルとして一緒に活動をしている、えもりえもからツイッターでDM(ダイレクトメッセージ)が届いた。「突然すみません。一緒に『学歴の暴力』というアイドルをしませんか!?」と、シンプルな文。なんとなく、やるしかないなと思った。「やりましょう!」ひと言だけ返した。

えもりえもからのDMと私の返信

 そして現在。紆余(うよ)曲折はあったし、夢見ていたAKB48とはかなりジャンルが違うが、私は今、アイドルとしてステージで歌って踊ることができている。

 毎日が本当に楽しくなった。どうにか死にたいという気持ちからも、少しずつ逃れることができ始めている。ファンのみなさん、メンバーのあずきちゃん、そして私を『学歴の暴力』に誘ってくれたえもちゃんは、命の恩人だ。

(ちなみに、仕事は今でも週5でしっかり続けている。私がアイドルをやるには顔が悪いこと、歳をとりすぎていることは十分、理解しているので、アイドルは本業ではなく、あくまで趣味としてやっていきたいと思っている。)

大学院卒業の時。頑張ってきて本当によかった

 東大に入ってよかった。東大に入っていなかったら、ここまで注目してもらうこともなかったし、こんなふうにコラムを書かせてもらうことも、これだけたくさんの人にステージを見てもらえることもなかった。毎日、仕事にアイドルにと大変だけれど、どちらも頑張りたいし、もう少しアイドルを続けていきたい。そして、この生きざまで誰かひとりにでも勇気を与えられたら、アイドルとしてこんなに幸せなことはない。

(文/「学歴の暴力」なつぴなつ)

【INFORMATION】
◎「学歴の暴力」Twitter→@violenceofgkrk
◎えもりえもTwitter→@emofairystar1
◎なつぴなつTwitter→@natsupikkk
◎あずきあずTwitter→@azuki__info
◎「学歴の暴力」YouTubeチャンネル→https://www.youtube.com/channel/UCQA_7HGBG5Ezz_gsAlXbIsg