──なるほど。お金の大切さを知った今なら気づけるというか。

「本当にそうですね。でも、手放すときに150万円で売れたことで、価値があるものは売るときに得をするっていう“リセールバリュー”に気づけたのは大きかったと思います。そういう意味では、いい勉強でした」

──その後は150万円を元手に、服飾の専門学校に?

「いえ、実はその1年半で“役者になる”という別の目標ができて、20歳くらいのころに上京して『劇団民藝』に入ったんです。それで5年間ほど、バイトをしながら役者をしていました

 そのあと、25歳で結婚をしたときに、いよいよ“役者だけでは食っていけないな”と思って今の自営業を始めたんです

──起業をしてからは順調だったんでしょうか。

「はい。同年代で就職している子よりは稼いでいたと思います。お金持ちというわけではないですが、毎年欠かさず家族と旅行をしたり、記念日には高級なレストランで食事をしたり……。順調でしたね。

 でも'17年、37歳のときに事業が傾いてしまいました家計が火の車になって……。せっかく子どもの誕生日なのに、ラーメンしか食べられなかった。それでも、当時は1杯のラーメンがぜいたくだったんですよ

──かなり切羽詰まった状況だったんですね。

「はい。これから事業が先細りになっていくのもわかっていたので、“このままじゃヤバい”という焦りもありましたね。そのときにポイ活を知って、本当に"お小遣いになるかな"くらいの感覚で始めました

ゲーム感覚で楽しむ“ポイ活”、初心者の方は「楽天」がおすすめ

ウエルシア薬局のポイントを使って買い物(通称「ウエル活」)をしたあとのしんぽいさん。商品がポイントに見えてくる……。

──ちょっとした小遣いどころか、そこから4年後の'21年には年間520万ポイント以上になるわけですよね(笑)。まず、何からはじめたんですか?

「もともと現金至上主義だったんですが、まずはクレジットカードを作りましたね。クレカで買い物をすると数ポイント戻ってくるじゃないですか。そのときに快感があったんですよ。それと同時に“今までずっと損していたのか”っていう悔しい気持ちがあって……。当時は生活が苦しかったこともあり、たった数ポイントが本当にうれしかったんです

 それからはもう、ゲーム感覚です。例えば、1万ポイントたまったら、月の電気代をポイントで払えるじゃないですか。そうしたら“よっしゃ、ポイントで電気代を倒したぞ!”みたいな(笑)。すると、ポイ活が楽しくなっていくんですよね

──確かにゲーム感覚だと、めんどくさいとか思わずに気軽に楽しめそう。

「そうなんですよ。“ためるぞ”と思ってしまうとめんどくさいんですけど、ゲーム感覚だと気楽にできます

──それでも、やっぱりポイ活で挫折しちゃう方もいると思うんですが、初心者の方でも上手にポイ活するコツはありますか?

まずは自分の属する"経済圏"を意識することが大事ですね例えば、携帯キャリアがソフトバンクだったら『PayPayポイント』がベースになり、PayPayが自分の経済圏になりますよね。その場合は『PayPay決済』『ソフトバンクカード』『PayPayモール』など、連携したサービスを使ったほうがいいです。ただ生活しているだけで、自然とポイントがたまる仕組みができあがります

 たくさんあるなかでも、初心者の方だったら“楽天経済圏”がおすすめですね

──どうしてですか?

「『楽天ポイント』ってたまりやすいし、使いやすいんですよ。楽天のECサイトでは、ほぼ毎月“楽天お買い物マラソン”というキャンペーンがあって、10店舗回ると、たまるポイントが全店舗で10倍になります。これが、めちゃめちゃ大きい。

 例えば、毎月の日用品を楽天お買い物マラソンでまとめて買ってしまえばいいんです。10店舗以上でお買い物をすれば、それだけで10倍のポイントが返ってきます。するとポイントが目に見えてたまるので、やりがいを感じやすくなるんですよね

──すごい。めっちゃお得だ……。

また、楽天ポイントはガソリン、車検、配送、脱毛などなど、対応店舗がすさまじく多いんです。これも、“ポイントでガソリン代が浮いちゃったよ”みたいに“お得感”を抱きやすい。だから、初心者の方がハマるきっかけになるんです」