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生き方

募集要項ではなく、根っこを描く。求人サイト『日本仕事百貨』ナカムラケンタさんの「自分らしさ」への答え

SNSでの感想
日本仕事百貨・創業者 ナカムラケンタさん 撮影/高梨俊浩
目次
  • 意識するのは「根っこ」の価値観
  • 週6日も通っていた中目黒のバーがアイデアの源泉
  • あこがれの仕事ではなく、「しっくり」となじむ仕事
  • 焚火の前なら、かしこまらなくて済む。ありのままの合同企業説明会

 この先どんなふうに働き、どのように人生を歩んでいけばいいのだろう。

 コロナ禍をきっかけに、自分のキャリアや人生について改めて見つめ直してみたという方は多いのではないだろうか。リモートワークがしやすくなったからこそ、住む場所や働く場所も選択肢が増え、より「自分らしく生きる道」を選びやすくなっている

 一方で、“大手に行くべきだよ”、“〇〇業界はやめときな”、“安定を選んだほうが絶対いい”......自分らしく生きる道を選びやすい現代でも、キャリアに対する固定観念や風潮はいまだに存在する。「自分らしく生きる」ことへのハードルは、昔と比べてもそこまで変わっていないのかもしれない

 今回の取材では、「自分らしく生きる」を体現し、さまざまな生き方・働き方を紹介する求人サイト『日本仕事百貨』の創業者であるナカムラケンタさんにお話を伺った。取材では終始、自然体で、飾らずにありのままをお話しいただいたナカムラさん。私たちがナカムラさんのように自分らしく生き、働くためのポイントはどこにあるのだろうか

意識するのは「根っこ」の価値観

 伝統芸能・伊勢大神楽の「大神楽師」、1800年続く神社の「神主見習い」、「サバを育てる温浴施設」の支配人……。

『日本仕事百貨』の取材記事を眺めていると、こんなにも多様な仕事があるのかと、いつも新鮮な驚きに包まれる。自分らしい生き方・働き方を求めて多くの人が訪れるこのサイトは、求職者だけでなく、読みもの好きにも愛されている

『日本仕事百貨』の求人ページ。画像のならびもシンプルなつくりで、どこか温かさを感じる

 なぜなら、このサイトは単なる求人サイトではなく取材記事を通じて、“企業と人を結びつける求人サイト”だからだ

 求人サイトといえば、企業のよい部分ばかりにフォーカスをあてた求人情報をイメージするだろう。だが、『日本仕事百貨』はそのイメージとは一線を画している。なぜなら、企業のよいところも、人によって評価が分かれる部分も、隠さず記事の中に“描く”からだ

 企業目線だけではなく、求職者が本当に読みたい記事を描く。求人サイトとしては珍しいこのポリシーは、創業当時から徹底してきたことだと、ナカムラさんは語る。

求職者がその会社に入ったとき、イメージに相違がない記事をつくりたいんです。

 企業のありのままを描くためにも、取材では会社の未来やビジョンの話を引き出すよりも、過去のエピソードから導き出せる大本の価値観、木で例えるなら“根っこ”の部分を求めて話を聞いています。いい取材ができると、思いついたままのエネルギッシュな言葉がたくさん出てくる。そういう言葉を引き出せるよう、リラックスして安心してお話しいただけるような雰囲気づくりはいつも心がけていますし、企業の根っこが見つかるまでは粘り強く取材しています

今年で15年目を迎える『日本仕事百貨』立ち上げの経緯と、変わらないコンセプトを語ってくれた 撮影/高梨俊浩
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