なぜ、中野サンプラザの形は三角なのか?

──どうしてこういった特徴的な三角の形の建物になったのでしょうか。

「日建設計の建築家・林昌二さん(1928年~2011年)が設計したのですが、“遠くから見たときのわかりやすさ”を目的に、特徴的な形にしたようです。あとは、防災避難計画の観点から多数の人が利用する施設を低層階にし、さらに、下から上に向かって床面積が少なくなるようにして、人口密度も少なくなるようにしたようです

中野サンプラザ開業前の館内図 提供/株式会社中野サンプラザ

──この唯一無二のどこにもない形をした建物は、魅力です。“中野のシンボル的な存在”になっていますしね。

そうですね。50周年記念で建物の形をした“けしごむ”の入ったカプセルトイ(第1弾記事参照)を作ったとき、みなさんが行列を作って購入していたので、驚きました。中野サンプラザ柄の手ぬぐいも、あっという間に売り切れてしまって。中野区民に愛されている建物なのだと感じました。

 あとは、コンサートなどで地方からいらっしゃる方も、中野駅に降りたら、駅前に他の建物と間違えることのない形をした中野サンプラザがあるので、迷わず行けるのは魅力です。

 私自身も中野サンプラザの形が好きなんです。前から見るとガンダムみたいですよね。後ろから見るとシュッとしていて、左右の先端は角のようで、可愛いです

(写真左から)横から、後ろから見た中野サンプラザ。正面からとは違った魅力がある 写真提供/中野サンプラザ

──中野サンプラザはみんなに愛されている建物であることがよくわかりました。私自身も、他の街にある高い建物の上から外を見渡したとき、中野サンプラザを見つけては、「あそこが(私の住む)中野だ」とすぐにわかるのが誇りでした。渡邊さんが思う「中野らしさ」とは何だと思いますか?

中野は、都会でありながらも、人と人の密着度が強くて、つながりが濃いところです。町内会が108もあるんですよね。その人たちがいないと商売にならないくらいです

株式会社中野サンプラザ 執行役員の渡邊武雄さん 撮影/佐藤靖彦

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 中野と縁がある人以外は、買い物をするときは隣の新宿に行くことが多く、わざわざ中野に来る人は少ない。それもあって、中野を利用するのは地元に住んでいる人や働いている人が多いことから、人とのつながりが強いのかもしれません。これからも中野の街づくりには、そういった地元の人たちに応援してもらうことが大切でしょうね。