中野サンプラザは、“中野のシンボル的な存在”
中野サンプラザを建て替えたら、もっときれいで便利になるでしょう。それを望んでいる区民も、もちろんいると思います。
だから、ここからはあくまでも、私の“個人的な思い”に過ぎません。最近はどこも似たような景観の街が増えてきた中、「ここにしかないような形の建物があり、中野らしいカルチャーを発信している」。それこそが中野在住歴の長い私の「誇り」でもありました。
もちろん時代とともに街並みは変わっていくものです。もし、中野サンプラザは「200年の耐用を前提に設計されている」と言われているのが本当なのであれば、できることならスクラップ&ビルドではなく、建物自体は残した“リフォームによる生まれ変わり”にしてくれたら、どんなにうれしかったことか……。
中野サンプラザは、中野住民でも、そんな頻繁に使用する施設ではないこともあります。言うなれば、ただただ「在ること」に意味を見出せる建物でもありました。ランドマーク(土地の目印)……を超えて、どこか“中野のシンボル的な存在”になっているのです。
それって、すごいことだと思うのです。「建物が街のシンボル的存在になる」なんて、簡単なことではないからです。もちろんその“プライスレスの価値”をどう考えるのかによって、意見は変わるでしょう。
中野住民が求めているのは、本当に7000人規模の大きなホールなのか。そして、「NAKANOサンプラザシティ」が新たな中野のシンボル的存在になりえるのか。中野サンプラザがここまで愛されている建物だからこそ、今、注目されているところです。
〈施設情報〉
■中野サンプラザ
所在地:東京都中野区中野4-1-1
竣工:1973年6月1日
閉館日:2023年7月2日
構造:地上21階、地下2階
敷地面積:9530平方メートル
施設内容:多目的ホール・結婚式場・研修室・宴会場・レンタルオフィス・ホテル・レストラン・音楽スタジオ・フィットネススタジオ(プール・テニスコート)・ボウリング場・インターネットカフェ・フラワーショップ・駐車場