──お互いのよさを生かしたいと思ったんですね。1年目に同期の『8.6秒バズーカー』さんがリズムネタの“ラッスンゴレライ”で大ヒットしたときは、どんな気持ちでしたか?

永見:同期って、1組だけスターが出るみたいなジンクスがあるんですよね。36期はめっちゃ早い段階で、8.6秒バズーカーが勝者、その他全員が負けってなったんで、「もう、1回負けてるから、俺らはこっちで頑張るぞ」という気持ちにさせてもらいました。

浜田:僕は気にしてなかったです。例えば、22期(※)ならキングコングさんが推されていたけど、それからどんどん同期の芸人さんも活躍するようになったって知ってたんで。同期で先に活躍する組が1組はあるやろし、自分は別の笑いが提供できるかなと。

《※ キングコングの同期である大阪NSC22期は、M-1グランプリ決勝経験者だけでも『とろサーモン』(久保田かずのぶさん、M-1優勝)、『南海キャンディーズ』(山里亮太さん)、『ダイアン』、『スーパーマラドーナ』、『ギャロップ』(林健さん)、一般オーディションによる同年デビューに『NONSTYLE』(M-1優勝)がいる。多くのスターを輩出した期と言われている》

“マンゲキ”の先輩方は、みな想像以上に優しかった

──10年ほど前の若手劇場は厳しい雰囲気だったそうですが、マンゲキはどうでしたか?

永見:みんな思ったより優しいなと思いました。

浜田:それは俺も思ったな。

永見:マンゲキに所属するためのバトルライブの出場者は、気持ちがななめ下やったんですけど、マンゲキのメンバーは気持ちが上を向いてるし、「あの先輩が」とかじゃなくて、全体的に温かかったです。

浜田僕は劇場入りする前に、お笑いコンビ『ニッポンの社長』の辻皓平さんとお会いして、“こんなに優しいんや”って、びっくりしました。マンゲキは、先輩方が後輩も居心地がいい空間を作ってくださってるんです。

マンゲキが大好きなおふたり。「これからも大切にしていきたい場所です」と語気を強めた 撮影/合田慎二
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 紆余曲折をへてコンビを組み、次世代のホープになったカベポスター。インタビュー第2弾の記事では、情報番組『ワイドナショー』(フジテレビ系)で初めて松本人志さんに会ったときのことや、ライバルや憧れの存在について、今年のM-1グランプリへの思いを聞きました。

(取材・文/若林理央)


【PROFILE】
カベポスター ◎NSC大阪36期生である、ボケ・ネタ作り担当の永見大吾と、ツッコミ担当の浜田順平によるお笑いコンビ。主にロジカルな構成を特徴としたしゃべくり漫才を行い、よしもと漫才劇場など大阪を中心に活動中。'22年には第11回「utv漫才新人賞」と第43回「ABCお笑いグランプリ」でともに優勝し、活躍の場をどんどん広げている。
永見大吾さんTwitter→@kp_nagami、浜田順平さんTwitter→@jumpei182