夫の仕事つながりで美容や化粧品のアドバイスをするように
そんなころに主人(君島誉幸さん)と出会いました。彼はもともと皮膚科医だったのですが、家業のファッションブランドを継いでいました。
結婚したあとは自分がメディアに出て発信することはなくなりましたが、主人のビジネスに同行するうち、洋服を購入してくださった方に「口紅をこの色に、髪型はこんな感じにするとすてきですよ」など、モデルや女優の仕事で培ったメイクや着こなしのヒントをお伝えするようになりました。お客様から「あの若奥様、もう一度連れてきてくれないかしら」と言っていただけるようになり、美容のアドバイスをすることが多くなったんですね。
今でいうドクターズコスメの先駆けで、処方的にはメイクが落ちるに違いない試作品について、意見を求められたこともありました。その商品は確かに、ファンデーションを塗ったあとすぐに使うと落ちるのですが、使い心地がどうにも悪かったと申し上げました。
化粧品の成り立ち的には正しいけれど、きれいになれそうな高揚感が足りない。効果・効能や安全性は必要ですが、化粧品は女性のいちばん身近にあるものだから、気持ちがワクワクするような要素や使い心地を大切にしてほしい、ということもお伝えしました。
この経験が、今の仕事の原点だと思います。
インタビュー第2弾では、君島さんご自身が実際にスキンケアメーカーのアドバイザーとして商品開発に携わるまでのエピソードをお届けします。
(取材・文/Miki D'Angelo Yamashita)
【PROFILE】
君島十和子(きみじま・とわこ) ◎1966年5月、東京都生まれ。高校在学中に「'85年JAL沖縄キャンペーンガール」に選ばれ、芸能界デビュー。'86年、女性誌『JJ』のカバーガールを務め、同誌で専属モデルに。のちに舞台、テレビなどを中心に女優として活躍し、結婚を機に芸能界を引退。'05年、20数年に及ぶ美容体験をもとに、化粧品ブランド『FTC(フェリーチェトワココスメ)』を立ち上げる。クリエイティブディレクターとして製品開発に勤しみながら、これまでの知識と経験を生かし、美容家としても多方面で活躍中。
◎君島十和子オフィシャルブログ→https://ameblo.jp/towako-kimijima/
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