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引きこもりから創作の道へ。クラファン230%超を達成した、新進気鋭のアニメ作家・安田現象が生まれたワケ

SNSでの感想
若手アニメ作家・安田現象さんの作品の数々
目次
  • 引きこもりから、創作のおもしろさに目覚めた学生時代
  • アニメ作家・安田現象が誕生するまで
  • 初の長編監督作品『メイク ア ガール』を制作

 まずはこのショート動画を見ていただきたい

作品名『カレーを一晩寝かせる少女』

 キッチンの置物、女の子の表情、カレーをかき混ぜるしぐさや液体のなめらかさ。そのすべてが高クオリティで、一見アニメ制作会社の予告動画にも見えるこの動画は、実はたった1人のアニメ作家の手によって作られている

 今回取材したのは、『カレーを一晩寝かせる少女』や『呪いの人形』シリーズなど、制作したショートアニメがSNSで話題を呼んでいる新進気鋭のアニメ作家・安田現象さん。安田さんがSNSに投稿した作品は、20秒程度とごく短いにもかかわらず、そこにはしっかりとした物語があり、見る者をアニメの世界へと引き込む力がある

 そんな安田さんは現在、満を持して長編アニメーションの制作に取り組んでいる。その作品名は『メイク ア ガール』。2024年夏に公開予定の90分アニメだ。本作品は安田さんが2020年2月8日に公開し、第29回CGアニメコンテストで入賞した自主制作アニメ『メイクラブ』がもとになっている。ショートアニメをつくり続けてきた安田さんとしては、初の長編アニメーション監督作品となる

 アニメ作家・安田現象さんは、これまでどんな人生を歩んできたのか? アニメ制作のきっかけや、自身が考える海外作品の台頭と日本の強み、制作中の長編アニメーションへの思いなど多岐にわたるお話を伺った。本記事は、その第1弾。まずは安田さんのこれまでの人生に迫っていく。

引きこもりから、創作のおもしろさに目覚めた学生時代

──まず基本的なことからお伺いしたいのですが、「安田現象」というお名前は本名ですか?

「いえ、これはアーティスト名です。前にライトノベルの賞に応募したことがあって、そのときにペンネームをいろいろと作ったんです。そのとき生まれた名前が、『安田現象』でした。“安田”は本名ですが、“現象”は自分で考えて組み合わせたものです

──なぜ、「現象」という言葉を選んだのでしょう。

最初は名前に何かしらの意味を持たせようと考えていたのですが、誰もがさまざまなハンドルネームを持てるこの時代、自分のボキャブラリーだと、すでに世にある名前にしかたどり着けなかったんです。“安田銀行”とか“安田幼稚園”とか、全部実在しちゃうんですよ(笑)。

 でも、自分は誰かと同じ名前にはしたくなかった。そこで、意味のある名前はやめて、“苗字+普通は名前に使わない名詞”の組み合わせでインパクトのあるものを探した結果、『安田現象』にたどり着きました。“現象であれば小学生でも読めますし、他とかぶらず印象に残るなと思って」

──なるほど。ちなみに、SNSのアイコンがお化けみたいなキャラクターなのはなぜですか?

「これはエジプトの古代神のひとりである“メジェド”です自分は基本的に絵を描くのが好きではなかったので、アイコンを自分で描くのが嫌だったんですよ。だから、フリーの素材サイトから人外のキャラクターを選んだ結果、最もかわいいと感じた“メジェド”になりました。でも、Twitterのフォロワー数が10万人ほどに増えたときに、さすがにフリー素材を使うのはよくないと思って、今のアイコン画像は自分で描いたものです」

インタビューに応じてくれた安田現象さん

──絵を描くのが好きだったわけではないんですね。そもそも、どうして創作活動の道に?

大きなきっかけは、受験直前の時期に高校の美術で油絵に触れたことです。かなり本格的な授業で、筆ではなくペンディングナイフで自由に色を塗り重ねて作品をつくっていました。そのとき、苦労して自分で何かをつくることは面白いなと感じて。それで、美大に進もうと決めたことが、ものづくりの原点のひとつです

──創作のおもしろさに目覚めたのは、受験直前のことだったんですか!

「少し遅いんです。ただこうなったのには、いろいろ経緯があって。

 実は自分、教育熱心な親の方針で私立中学に入ったものの、受験で勉強が嫌いになってしまったうえに、アニメやゲームにハマって引きこもっていたんです。将来もいっぱいお金を稼ごうとかも思ってなく、普通に暮らしてゲームで遊べていれば満足だと考えていて、“自分の人生はすでに完成している”と、学校に通う意欲をなくしてしまって

 でも、そんな状態で数年が経過したとき、引きこもりのままではそもそも普通の生活すら送れない事実に気がついたんです。そこから慌てて単身赴任していた父のもとに身を寄せ、学校も転校。ゲームのために、社会復帰したんです

──なるほど……。そして、転校先の学校で油絵に出合うと。

「そうです。それまでは親の決めた道を進んできた感覚がありましたが、油絵におもしろさを感じて美大に進もうと考えたあのタイミングは、進路について能動的に行動できた分岐点だったのかもしれないと思います

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