コロナ禍で思うように行かない音楽活動

──コロナ禍でライブがキャンセルになった時は、どのようなことを考えていましたか?

本当にやばいと思いましたね。ライブができない、動けないということは収入もなくなるわけで、精神的に追い詰められるところあったし。このままライブ活動ができない状況が2〜3年続いたら、他の仕事をしながらもバンドを続けるしかないかなというのも一瞬、頭をよぎりました。でも“バンドを解散しろ”って言われているわけではないから、切り替えて前向きにはなれました

──コロナ禍での音楽活動について、感じていることは何ですか。

「コロナで人が亡くなったりもしているので、うかつなことは言えないけれど……。生きていくうえでの楽しみを奪いすぎるのはどうかなと思う。たかが音楽とも思うけれど、僕らは音楽で育ってきた人間だから。これをやっぱり後世には伝えていきたいと思う。ジャンルなんかどうでもいいと思っているし、その好きな人が好きな音楽を聴けばいいと思う」

グレートマエカワさん 撮影/山田智絵

──ライブのキャンセルが続いていた時も、演奏は続けていましたか。

「そうですね。ステイホームの時期は、ただ一人でベースを練習するしかなかったけど、やっぱりみんなで音を合わせるのが好き。僕は単純にベースを弾くのではなくて、歌のバックで演奏するのが好きって気づきました

50代の生き方って「まだなんでもできる」

──50代になって友達をつくるのが難しいと聞きます。マエカワさんは、どのように友人づきあいをしていますか?

「確かに50歳を越えて新しく友達をつくるのってすごく難しいと思う。僕の場合は、メンバーもそうですけど、小さい頃から仲のいいやつがいまだにずっと友達なんですよね。地元愛が強い名古屋人だからこそなのかもわからないけど……。中学や高校の時の友達はやっぱり仲がいい。

 50代を楽しく過ごすには、やっぱり話すことですよね。“そもそも話をする相手がいないんだよ”ってなると難しいけど(笑)。コロナ禍になって何がつらかったっていったら、人と話すことがこんなに大変なことだったんだと思って。メールとかでもいいけど、やっぱり話すことが大事かな。会えないなら電話でもいいから、連絡したほうがいい。孤独を楽しむっていうことが僕はわからないのもあるけど、やっぱり人と話したほうがいいと思う」

──では長く付き合いを続けるのにはどうすればよいですか?

付き合いが長く続くためには、相手に対してあまり踏み込まないっていうのがあると思います。若い時と違って見逃すことも多くなる。フラカンも4人で飯に行くことはないし、正直、話すことも今はそんなにない。でも誰かスタッフがいたら、5人で飯も行くこともある。周りにそういう人が1人はいるといいですね

──楽しく50代を過ごすためには、何をすればよいと思いますか?

「好きなことやるのがいいんだけど、見つからないっていう人もいるだろうし。これ言っちゃいけないのかもしれないけれど、好きなものを食べるとか、お酒が好きだっていう人は無理にやめなくていいと思うんですよね。食べすぎや飲みすぎはよくないけれど、食べ物を制限すると楽しみがひとつ減っちゃう気がします。僕自身がそうなので」

グレートマエカワさん 撮影/山田智絵

──50代はどういうポジションだと思いますか?

「今、自分がどういう立ち位置にいるかって難しいけど……。まだなんでもできるって思うけれど、本当は老後を見つめる10年なんだろうなと(笑)。でも70歳過ぎても鮎川誠さんとか、泉谷しげるさんも音楽をやっているので」

──最後にいくつまで音楽活動を続けたいという希望はありますか?

理想はね、とにかく死ぬときまでバンドを続けられたらいいなと。でも、メンバー4人が一緒のタイミングで死ぬことはないだろうし(笑)。100歳でもやるぜとは思ってないけど、ある程度の年齢までは続けたいなっていう理想はちゃんとある。でも、明日どうなるかなんてわからないとも思っているので、今を一生懸命楽しんでいられたらと思っています

グレートマエカワさん 撮影/山田智絵

(取材・文/池守りぜね)

〈PROFILE〉
グレートマエカワ
1969年9月27日生まれ、愛知県出身。1989年、同級生の鈴木圭介(ボーカル)、竹安堅一(ギター)、ミスター小西(ドラム)とともにフラワーカンパニーズを結成する。1995年に1stアルバム『フラカンのフェイクでいこう』でメジャー・デビュー。2001年にメジャーを離れてTRASH RECORDSを立ち上げ、“自らライヴを届けに行くこと”をモットーに活動、ワゴン車1台で全国を回り、年間100本を超えるライヴ活動を展開。2008年にはメジャー復活を遂げ、2015年に開催した初の日本武道館公演はソールドアウトし、大成功を収める。2017年に再びメジャーを離れ、自らのレーベル「チキン・スキン・レコード」を設立し活動している。2022年4月23日、“メンバー・チェンジ&活動休止一切なし”で4人そろって結成33周年を迎えた。

☆フラワーカンパニーズ 全国ツアー『いつだってネイキッド’22/’23』全33公演開催!

◎フラワーカンパニーズ・ワンマンツアー『いつだってネイキッド’22/’23』
2022年
11月5日(土)茨城@水戸ライトハウス
11月6日(日)栃木@HEAVEN'S ROCK 宇都宮
11月17日(木)大阪@堺Live Bar FANDANGO
11月19日(土)広島@Live space Reed
11月20日(日)香川@高松DIME
11月27日(日)北海道@札幌PLANT
12月3日(土)神奈川@横浜F.A.D
12月9日(金)京都@磔磔
12月10日(土)京都@磔磔

※2023年のツアー情報は公式サイトのライブスケジュールページでご確認ください

【全公演共通】
チケット料金:前売4400円(税込/整理番号付/ドリンク代別)
チケット発売日:2022年公演は発売中、2023年公演は12月4日(日)10:00

公式サイト:https://flowercompanyz.com/
9月7日に発売されたフラワーカンパニーズの19thアルバム『ネイキッド!』 ※記事内の写真をクリックするとオフィシャルサイトにジャンプします