漫画ではなく“原作持ち込み”で、異例のデビューを飾る

脚本家になるまでの軌跡についても語ってもらいました 撮影/山田智絵

──漫画の原作者になるきっかけは何だったのでしょうか?

ドラマの脚本を書いているのだから、漫画の原作もできるのではないかと思って、出版社に持ち込んだんです。当時、集英社に『スーパージャンプ』という雑誌があって編集部に“持ち込みをしたい”と電話をしたら、編集の人に“今日だったら見られるけど、来られる?”と聞かれたので、持っていきました。

 ただ、その人は“漫画の持ち込み”だと思っていたみたいで、自分が持ち込んだのは原作(シナリオ)だったからびっくりしていました(笑)。漫画原作だけ持ち込む人はめずらしかったみたいです」

──そのシナリオは採用されたんですか?

いえ、その原作はボツになったんです。でも、編集の人に“僕が今担当している作品で調べものをする人が必要だから、やる?”と聞かれて、引き受けました。そして、調べものの仕事をしながら自分がやりたい企画を出していき、読み切りの漫画でデビューすることができたんです」

──情報番組での調べものの経験が役に立っていたんですね。ちなみに「漫画の原作」と「脚本」の違いは何でしょうか?

「あくまでも僕の書き方なのですが、漫画は“ページを埋める”シナリオ、映像の脚本は“時間を埋める”シナリオという作り方です

 漫画の場合は、連載作品は終わりが決まっていないので、いつ最終回になるのかが状況によって変わります。キャラクターの設定や背景が話の展開にも大きくかかわってくるので、細部まで深掘りしていく必要があります。逆に、ドラマは長くても12話、単発ものだと2時間くらいで終わります。キャラクター以上に、ストーリーが時間内に必ず終わることを前提に作っていく必要があるんです。

 終わりがいつになるかわからない漫画では、続けられる工夫が必要になる終わりが決まっているドラマでは、よいタイミングで終わらせる工夫が必要になる。その違いがありますね」

──書き方はどのように変えているんですか?

例えば、ドラマはインパクトのあるシーンを始めに持ってくることが多いですが、漫画はだんだん盛り上げたほうがいいことがあるんです。ドラマは最初に視聴者の心をつかまないと、チャンネルを変えられてしまいます。逆に漫画は、読者のペースで読めて、ページを戻して読み直すこともできます」