役者としては1年生だからニーズに応えたい気持ちが強い

──『M-1』で準優勝してからは、ドラマ出演も活発ですよね。挑戦しようと思った理由は何だったのでしょうか?

「それがあんまりなかったんですよ。'20年12月にM-1で準優勝して、わりと早い段階で'21年4月から始まるドラマ『カラフラブル 〜ジェンダーレス男子に愛されています。〜』が決まったんですよ。だからもう、わけもわかってなくて」

──いちばん忙しかったときですもんね。

ただ、そこで言われたマネージャーの言葉は大きかったです。ドラマは時間をとられるから、断る芸人さんもいるという話は聞いていたんですけど、マネージャーは“一度やってみたらどうですか?”と言ってくれたんです。“やってみて合わないなと思ったら、次から整理させていただきますから”って。だから、そうしますと答えました」

──そうして、ドラマ出演に至ったと。実際に出てみていかがでしたか?

めっちゃ楽しかったです。ドラマって、シーンの撮影が終わるとその場で是非が出るじゃないですか。“オッケーです”みたいな感じで。バラエティは、その場での評価がよくわからなくて、オンエアを見て判断するしかないけど、ドラマはわかりやすくオッケーが出る。それが、うれしかったんですよ。子どもが大人に褒められたような感覚で“ドラマ、楽しいな”となりました

──コントとドラマでは、同じ“演じる”にしても少し違う気がしますが、役作りはすんなりできましたか?

「それが、ありがたいことにどのドラマも“おいでやす小田のままでいい”という演出だったので、演技のことは正直わからないんです。台本に書かれているセリフも、“しゃべりやすい形に変えてもらって大丈夫です”と言ってもらえたから、演技している感覚がまずないんですよね」

──バラエティで瞬発力を生かして、キャラクターを見せた結果でしょうね。しかも、ドラマでも小田さんの需要は高いです。ご自身から見て、どこがウケていると思いますか?

「いやぁ、それはなかなか恥ずかしい話やなぁ(笑)! 自分で自分の評価をすることはできませんけど、よく言われるのはどこにでもいる見た目だということですね。教科書どおりの日本人みたいな。あとは、しゃべり方に若干クセがあるみたいです。朝ドラのスタッフさんいわく、“関西弁なんだけど、なんかちょっと違う。それが気になって、覚えてしまう”と。たぶん、高い声を出すときにそうなるんじゃないかなと思うんですけど。目立たへん見た目やけど、しゃべり方がちょっと特徴的。そこかもしれないです

──そういった周りの反響をふまえて、「役者としてニーズに応えていこう」という気持ちはありますか?

ありますよ。監督さんにも“このシーンはこんな感じですかね”って結構聞きます。というか、ほとんど言いなりですけどね。お笑いは20年くらいやっていますけど、演技に関しては1年生なので、わからんことだらけですから

“自分が売れている理由は?”と尋ねると、「罰ゲームですか(笑)」と笑った 撮影/高梨俊浩