インフルエンサーは啓蒙する立場。発信者としての心掛け
──他にも、発信するうえで気をつけていることはありますか?
「必ず守っているのは各自治体のルールや漁業調整規則です。使用禁止の道具とか、“夜にライトで照らしながら網で獲るのはダメ”とかいろいろあるんですよ。レアな魚が獲れたときは、場所がわかると人が殺到するので背景が映らないようにするとか。“特定外来生物”は生きたまま別の場所に移動させたらアウトですし。SNSの発信はすごい慎重になりますね」
──そんなに細かいルールがあるんですね。
「魚をさばくシーンも悩みます。知り合いの魚さばき系ユーチューバーさんも内臓のシーンがあると残酷と見なされて広告がつかないと言ってました。僕がやり始めたころは今みたいにガチガチじゃなかったけど、コンプライアンスの部分は気をつけるようにしています」
──確かにYouTubeもコンプライアンスが強化されていますもんね。
「発信するからには啓蒙(けいもう)する立場になってくると思うので、文句を言うだけじゃなくて“自分に何ができるのか”を考えながら行動するようにしています。発信するからこそ、発信のやり方は臨機応変にやっていかなきゃなと思うし、発言にも注意しますね。
最近反省したのがハクレンを調理したときでした。ハクレンって生態系被害防止外来種リストに入っている淡水魚で、荒川温排水で獲った魚だったんです。いつものごとく獲って調理したら、まぁこれが下水臭くて。下ゆでして1日お酒に漬けた後、キムチ・みりん・酒・しょうがと強めの味つけにしたのに全然臭いがとれない。まずい……という、しかめ面の自撮りを添えながらハクレンの料理をTwitterにあげ続けたところ、“わざわざ排水にいる魚を食べて、その魚種をまずいというのはいかがなものか”とお叱(しか)りを受けまして。自分の発言がそうとらえられることもあるんだと反省しましたね。ライブで話すと大体ウケるのでつかみネタにすることはありますが(笑)」