なぜTDRは1000回通っても飽きないのか
――たしかにTDRは老若男女みんなが興奮できる場所だと思うんですけど、1000回行っても飽きないのがすごいなぁ、と(笑)。なんでここまでハマり続けられるんでしょうか。
「まず前提としてTDRって、ハマれるポイントがたくさんあるんですよ。例えば私はパーク自体の世界観を愛しているオタクですが、もちろんディズニーキャラクターのオタクもいます。またパレード・ショーだけを見続けている方もいるし、レアなケースだとレストランで食事をするのが好き、とか、建物の設計が好きという方もいるくらい」
――たしかに言われてみれば、見どころだらけだ。
「そうなんです。だからハマれる理由は人それぞれなんですが"世界観やバックグラウンドストーリーのオタク"としては、やっぱり毎回新しい気づきがある部分が大きいと思いますね」
――1000回行っても、まだ新たな発見があるんですね。
「ありますよ(笑)。かなり衝撃を受けた例でいうと、TDSの『メディテレーニアンハーバー』の街灯を、なんとなく見ていたんですよ。すると、表向きには見えないんですけど、裏に“NERI LONGIANO ITALIA”という文字があるんですね。気になって、すべての街灯の裏を見て回ったんですが、ほぼ全部に印字してあるんです。
なんだろう、と思って調べてみると、実在するイタリアの街灯器具メーカー名だったんですよ。つまりイタリアの世界観を忠実に再現するために、現地の製品を使っているんですよ。これだけでもすごいのに、あえてロゴを見えない位置に配置して世界観を崩さないようにしている……。すごいこだわりっぷりですよね」
――確かに。TDSももちろんすごいんですが、みっこさん、わざわざ全部の街灯の裏をのぞき込んで回ったんですね。その行動も一般人的にはだいぶヤバいです。
「(笑)。さすがに誰かと行ったら大人しいですけどね。あ、それで言うと“ひとりだからこそ、毎回新しい発見ができる”という部分もありますね。
やっぱり誰かと行くと“できるだけ多くのアトラクションに乗ろう”とか“パレードをいい位置で見るためにタイムスケジュールを決めよう”という制約が生まれてしまう。でもひとりで行くと、全部自分で決められるので、本当に楽です。
最近だとひとりディズニーの方も多いんですよ。私の友人でも20代から70代まで、本当に幅広い年齢層の方が、ひとりで楽しんでいます。もしかしたら“ひとりでじっくり見たい”という感覚を覚えられるかどうかが、オタクと一般人との境界なのかもしれません」
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※記事後半では、ときに「ちょっと怖いかも」なんて言われるTDRオタクの特徴を、多ジャンルにわたって教えていただく。【後編→オタク極まりディズニー本を7冊も出版! 幅広すぎる東京ディズニーリゾートの魅力をマニアに聞いてみた】
(取材・文/ジュウ・ショ、編集/FM中西)
〇みっこさんのTwitter:@mikko_20100518