健康の秘訣は1日1食!? コロナ禍が落ち着いたら、全国の未到の地を回ってみたい

──劇団の主宰やプロデュース、俳優業、そしてクイズ番組や料理番組への出演と幅広く活動されてきましたが、辰巳さんは向き合う仕事によって、自分の中のスイッチを切り替えたりしていましたか?

「あまり区別はしていません。ある意味、麻雀と一緒ですかね。それぞれの仕事や番組に対して、手持ちの手牌(てはい)でどうやって点数を高くするか、早く上がるかみたいなものを考えて、最大限のパフォーマンスをするように努めています。さらに、できれば自然体で、無理しないでいきたいですよね。とはいえ、今でも仕事が立て込むと、週に1、2回は徹夜しなくちゃならないときがありますが……」

──徹夜はつらいですよ! 昔から変わらぬスラッとした体形ですが、健康管理ではどのようなことに気をつけていますか?

「最近は、朝・昼は食べません。ロケとか取材の日だと、ちょっと口にしちゃうこともありますが。自分の場合、基本的には日中に食べないことが、いちばん調子よく過ごせますね。大事な日は特に。食べたら眠くなるし、食べないほうが集中できるんです。生活習慣病と呼ばれている症状も、もともとは食べすぎが原因だといわれていますし、無理して食べる必要はないなと思って過ごしています」

──夕食も制限しているのですか?

いや、夜は、心おきなく食べます。真夜中の炭水化物が好きなので、カレーやラーメンなんかも食べますよ。背徳の味がするんですよね(笑)。人によると思いますが、僕は3食の量をすべて半分にして毎回我慢するよりも、朝と昼を抜いて、夜だけ好きなものを食べるほうが精神的にいいと感じています。ただ、夜で3食分くらい食べるときもあるので、食べすぎたらお腹まわりに脂肪がつくのだけれど(笑)」

──でも、とてもスリムですが……。

コロナ禍の影響で5、6キロやせたんです。2次会、3次会はなくなり、バーなども閉まっているから飲み歩きができないし、ラーメン店すらも休業していましたからね。今、ベスト体重だと思いますが、夜中のラーメンも時々やり始めたので、気をつけないと……(笑)

──スポーツはしていますか?

「昔は“季節ゴルファー”といって、春夏秋冬それぞれ1回ずつくらいのペースでゴルフをやっていました。今は特にスポーツはしていないですね。一番好きなのは乗馬なんですが、もう何年もやっていません。身体を動かすことと言ったら、だいたい夜の街を徘徊するくらい(笑)

──(笑)。精神面の健康を保つ秘訣も聞きたいのですが、まず辰巳さんは、主宰した劇団で学生ながら稽古場を構えて大きくしたり、朝ドラのオーディションを受けて見事勝ち取ったり、数々のバラエティ番組で人気を博したりなど、物事に挑戦するタイミングを見極め、きちんと運をつかんでいると思います。どのように感覚を磨いていますか?

常に、何でもいい方向に考えるようにしています。あとは、小さな幸運を見つけるようにすること。それを積み重ねていくと大きな幸せにつながっていく感覚がありますね。例えば、お店に入って“これが最後のひとつです”と言われて、ラッキー! とか、デートしたい相手からお誘いが来た日がちょうど空いていた♪ みたいな話でもいいんです。仕事でも、タイミングのいい話には乗ってみる。僕の場合は、“スケジュールが詰まっているのに、飛行機に乗ればギリギリ間に合う時間帯に仕事の依頼が入った。だから受けるべきだな”とか。そういう、ちょっとしたうれしい事象とか、タイミングのいい出来事を見逃さないことがカギ。逆にダメなときって、同じ日にやりたい仕事が3つも4つも重なったりもしますが、気の流れがいいときは、不思議とうまく収まるものです。見過ごしがちな運・不運を意識して、いいことだけ受け止めて、自分をラッキーだと思うことが大事だと思いますね

──ものすごくマネしやすい開運法ですね!

「人間って気に左右される部分があるので、明るいことを考えたほうがいいんですよ。あとは、ゆっくり寝て忘れる! くよくよしないこと。人間には寿命があるし、どこまでやりたいことを積極的に楽しめるかが大切ですよね」

──今の辰巳さんがやってみたいことは何ですか?

「コロナ禍でしばらく旅行などができませんでしたが、まだまだ日本で行ってないところがいっぱいあるので、行ってみたいですね。『くいしん坊』で日本各地を回って、たくさん食べてほめることで皆さんが元気になることに気づきました。自分がどんどんいろいろな場所に出かけて、元気をいっぱいバラまけたらうれしいです。あとは、日本ワインのよさを周りに伝えていきたい。ITとか、文明がすごいスピードで進化していく中で、ワインはいつの時代も変わらない。苗を植えてから、最低でも3年かかりますし。何年も熟成されて深まっていく。時間のかかるものが好きなんですね」

──まさに、日本各地を訪れたからこそ、わかる視点なのですね。

「あとはやっぱり、食に限らず、何でも“後世につないでいく”ということが大事。昨年父が亡くなりましたが、その前に、長男に赤ちゃんが生まれて孫ができたんです。父や自分のいい部分などはそんなにないかもしれませんが、下の世代に継承していきたいなと。もちろん、自分が関わる作品を通しても伝えられることがあると思っているので、舞台や映画も作りたいし、また本も書かなくちゃって考えています

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まだまだたくさんのことに挑戦しようとする辰巳さん、カッコいいです! 撮影/齋藤周造

 ときにユーモアも交えながら、快活に語ってくれた辰巳さん。インタビュー第3弾では、伝説のクイズ番組『たけし・逸見の平成教育委員会』でいちばん気になった出演者や、最近のクイズ番組ブームについての持論をお聞きしています。

(取材・文/池守りぜね)


【PROFILE】
辰巳琢郎(たつみ・たくろう) ◎1958年、大阪市出身。大阪教育大学附属高校2年生のとき、つかこうへいの舞台に感銘を受け芝居を始める。京都大学文学部在学中は、関西では人気・実力ともにNo.1の『劇団そとばこまち』を主宰し、役者としてだけでなく、プロデューサー、演出家として'80年代前半の学生演劇ブームの立役者となる。卒業と同時にNHK朝の連続テレビ小説『ロマンス』で全国区デビュー。以来、知性・品格・遊び心と三拍子そろった俳優として、テレビ、映画、舞台、バラエティと多岐にわたって活躍している。'23年3月には舞台『鋼の錬金術師』に出演予定。

【INFORMATION】
◎テレビ番組『辰巳琢郎の葡萄酒浪漫』BSテレ東にて毎週日曜23:00〜23:30
◎テレビ番組『辰巳琢郎の家物語 リモデル★きらり』BS朝日にて毎週土曜12:00〜12:30
◎舞台『鋼の錬金術師』
 〈大阪〉2023.3/8〜3/12@新歌舞伎座、〈東京〉2023.3/17〜3/26@日本青年館ホール
 辰巳琢郎はキング・ブラッドレイ役にて出演! 詳細は公式HPへ→https://stage-hagaren.jp/

☆辰巳琢郎公式HP→http://www.takusoffice.jp/
☆辰巳琢郎公式Facebook→https://www.facebook.com/tatsumitakuro.official