みなさんは、“陽”タイプと“陰”タイプ、どちらがお好きですか?
私は、圧倒的に北川さんが描く“陰”タイプの男性が好き。『たったひとつの恋』(日本テレビ系)の神崎弘人(亀梨和也)のように、瞳に光がなく人生を諦めている男性が、恋をしたことでちょっとずつ輝きを取り戻していく姿とか、もう大好物です。
だから、『愛くれ』で、ヒロインを優しく包み込む大人な男性・晃次が、時折見せる憂いを帯びた表情には、引き込まれるしかなかった……。めちゃくちゃ図々しいですが、「私が支えたい!」と何度思ったことか。
北川作品に登場する男性キャラは、子どもが大人の気持ちを探る“試し行動”(=わざと悪いことをしたりして、どこまで許してもらえるのか反応をうかがう行動のこと)のように、どんどんワガママを仕掛けていくヒロインを、優しく包み込んでくれる。
そんなヒロインの試し行動に「ヤダヤダ」言いながらも、結局は「しょうがないなぁ」とそばにいてくれる。女性たちの“ありのままを愛されたい欲”を満たしてくれる存在なのです。
そんな北川さんにとって、“青春ラブストーリーの集大成”となるドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系)がいよいよ1月17日にスタートします。“ラブコメ枠”と呼ばれる“火10”に、「恋愛の神様」が降臨!
どんなストーリーになるかワクワクしている人も多いのでは? 「片田舎で育った野生的でチャーミングな女の子・浅葱空豆(広瀬すず)と、空豆に振り回されながらも諦めかけていた夢をもう一度目指す海野音(永瀬廉)」。主要キャスト2人のキャラクターがもう、北川作品の真骨頂なんですよ……!
第1話の予告動画には、「人を好きにならないみたい」とポツリと呟く音の姿が。これまでの北川さんの傾向をたどると、音が恋をしない理由はアロマンティック(=他人に恋愛感情を抱かないセクシュアリティ)などではなく、過去に傷ついた経験があるからなのでしょうか。令和のいま、北川さんが描くアロマンティックな男性も見たい気がしますが、果たして……。
個人的には、冬ドラマの中で1、2位を争う期待作でもある『夕暮れに、手をつなぐ』。広瀬すずさんの野生児姿や、永瀬廉さんのちょっぴり冷めた目……。とくに、音の物憂げな表情は、『おかえりモネ』(NHK総合)のりょーちんをほうふつとさせていました。予告映像だけでは足りないから、早く全編見たい!
この冬は、“世界一美しいラブストーリー”に癒やされたいと思います。
(文/菜本かな、編集/本間美帆)