愛と性の楽しみ方

日本はもっと美の多様性があったほうがいい

──先生、自分の容姿に悩んでいる人はどうしたらいいでしょうか?

私は女子大に勤務していたからたくさんの女性を見てきたけど、整形したほうがいいって思ったのは1人しかいなかった。たいていの場合、メイクでどうにかなると思いますよ。だから私の本の中でも『メイクの本を読め!』と書いてるでしょう」

──この世は「馬鹿ブス貧乏だらけ」と言いつつも、本当に整形が必要と感じる女性は1人しかいなかったというのは意外でした。先生の考える「美意識」について、何かエピソードを教えてください。

美意識に関してはね、小林よしのり氏の漫画『最終フェイス』(徳間書店)は面白かったです。とびきりのドブスを見ているうちに、普通じゃ満足いかなくなる話。あれはいい漫画ですよ。美の多様性がない日本で生きるのには、覚悟が要りますからねぇ。もっと美の多様性があったほうが本当は幸せよね。日本には海外みたいに怖い顔の女優なんかいないもんね。映画の『アダムス・ファミリー』に出ている女優みたいなさ

──馬鹿ブス貧乏が愛と性を謳歌(おうか)することはできますかね?

「私なんか、ほとんど謳歌できていない最低人生だけど(笑)。謳歌できるかはわからないけど、容姿が悪かったり、不潔感があってもモテる人も知ってますよ

──教えてください!

「すっごい男にモテるの。全然美人とはいえないけれど、結婚・出産後も、相も変わらずモテていて、全然掃除してない部屋に相手を招いているみたいですけど(笑)。いろんな女性がいるから」

──美人じゃなくてもそんなに需要はあるのか…(羨ましい)。需要がない馬鹿ブス貧乏はどうしたらいいでしょうかね(涙)。

需要がないの? 本当に需要がないのかなぁ? 相手のレベルを下げてみるとかさ。女性用風俗を使ってみるとか。打てる手はあるんじゃないですか?

──どんな身体的特徴でも需要はあると先生はブログで書いておられます。

そうそう。多様性。あると思いますよ

仕事での生き残り方

つらい職場からは逃げていい。大学教員時代の「逃走」

──今、人間関係で仕事がつらいという方が多いようです。転職についてアドバイスをお願いしたいです。

私も結果的に大学を4回も変わってるんだよね。1か所で勤めあげたほうが退職金も上がるし、得だってわかっていたんだけれども」

──職場を変えた理由は具体的に何でしたか?

ここにいたら自分が壊れると思って逃げました。人間関係の中でマウンティングを取り合うのがイヤだった。私、気が弱いから。人と競り合って勝てるような人間じゃないんですよ。人と闘い続けなきゃいけないとなると、“あぁもう、めんどくさい”って思っちゃう。それでどんどんどんどん職場を変わっていっちゃう。逃げるしかないじゃん」

──でも、それは覚悟が要る選択でもありますね。

うまい具合に次の受け入れ先があって、採用してくれたからよかったのは事実です。他人は“条件のいいところへ変わってるのはすごいですねえ”って言うけど、馬鹿言ってんじゃねえと(笑)。大学を移った実際の事情はそんなんじゃないんですよ。逃げたんですよ。

 人間関係の面では、働きやすい職場(大学)もあったんです。でも、そこは仕事量がものすごく多かった。一生懸命やってはいたけど、55歳を過ぎたあたりからしんどくなってきた。それまではガンガンやってたんだけどね。私、優秀じゃないけど、ほかの先生が嫌がる出張とか、各高校への営業まわりなんかも嫌がらず、積極的にやりましたから。学校を辞めるときも、あんまりひどいことをして辞めてないですよ。ここにいたら自分が壊れると思ったから逃げたんです」

──やることはきっちりやる。そのうえで駄目だと思ったら逃げる、と。

ある大学では、私が辞めたら、英語の入試問題で10か所以上の間違いがあったみたいですからね。私がどれだけチェックしていたか、やっとわかったか! って感じです(笑)。

 そんな経験もあって、世の中には仕事で手を抜く、世間なんてちょろいと思っているやつが多いんだなって思いました。人生なめてかかってる人が一定数いるんですよ。だから考えようによっちゃあ、世間ってそんなものだから怖がることないんだなって思います

藤森かよこさん 写真/本人提供