主人公に負けないくらい「不器用」!?
そんなチャーミングな役どころであるちえ丸の、ちょっと不器用な一面に絡めて、自身が不器用だなと感じることは? と尋ねてみると……。
「全体的にかなり不器用ですが(笑)、とくにそれを感じるのは人と話すときです。私、思っていることの3割くらいを頭の中だけでしゃべって、その途中から口に出してしまったりするんですよ(笑)。言葉に”カッコ”が多いというか。カッコの中まできちんと口に出して伝えるべきなのに、それができなくて受け手に理解をゆだねてしまって……。だから思っていることと違う意味に捉えられてしまうこともあります。
というのも、私は話すときに断定的な言葉を使うのがあまり好きではなくて、曖昧(あいまい)に答えることが多いんです。その曖昧さを“よりよい曖昧さ”にするために、言葉のチョイスセンスを磨いていきたいと思っているところですね」
一言一言、丁寧に言葉を選びながら話す玉城さん。それは彼女がかなりの読書家であることも影響しているのかもしれない。自室の壁一面を愛読書が埋め尽くしているというから、筋金入りの本好きだ。
女優としてだけでなく、モデルや映画監督としての表現活動も行う中で、読書で得るものが役に立っていると実感する瞬間があるという。
「小さいころから両親に“本はたくさん読んだほうがいい”と言われて育ちました。そのおかげか、脚本を読む力は、自分で言うのも何ですが、ついてきていると思います。台詞の行間に込められた真意を読み取る力は、やはり読書のおかげで身についたなと思いますし、今も努力を続けている最中です。
パーソナルな部分でも読書から得るものは大きいですね。先ほどの”よりよい曖昧さ”を表現できるようになるためにも、たくさんの言葉や文章に触れることは大切だと思います。
最近は撮影が続いてなかなか本に浸れていないのですが、時間さえできれば今年もじっくり本を読む時間を取りたいです」
大好きな読書の時間も取りづらいほど多忙な日々を送る玉城さんは、業種は違えど、仕事漬けのちえ丸と似た境遇にあるようにも思える。作中ではちえ丸のユーモラスな息抜きタイムも描かれるが、玉城さんにとっての息抜きはどんなものなのだろうか。
「25歳になって、最近ようやく自分との付き合い方がわかってきました。仕事を終えたら家に帰って、ラクな格好で思う存分くつろぐ。それが最大の息抜きですね。そのおかげか、ありがたく忙しい日々を送らせていただく中でも、心が擦り切れるようなことはほとんどありません。
私の仕事はたくさんの人とつながる仕事なので、その分一人になる時間をしっかり設けるように意識しています。疲れたときこそ自分の心の声を聞いて、今は友達に会うよりも家でゆっくり過ごしたほうがいいな、みたいにチューニングして自分を保っていますね」