チャリティー上映会で関係者を感激させた愛子さまのひと言
昨年最後のお出かけとなったのは、12月28日のこと。両陛下と愛子さまは、港区・六本木の映画館で『Dr.コトー診療所』の地域医療支援チャリティー上映会を鑑賞された。ご一家そろっての映画鑑賞は3年ぶり。上映の前後には、愛子さまから主演俳優や映画監督らに話しかけるなど気遣いが見られたという。
そんな愛子さまの積極的なご様子に、テレビ局関係者は「20歳を迎えた際の記者会見ではご自分の性格を『小さいころから人見知りのところがございますので、これから頑張って克服できれば』と述べていただけに、この日の公務に備えて努力なさってきたことがうかがえました」と話す。
愛子さまとの心なごむ会話は、関係者たちの印象に強く残ったようだった。お見送りする主催者側のひとりが、中学1年生のときに愛子さまが書かれた短編小説『看護師の愛子』に触れた。小説には、海の生きものを次々と手当てして助ける「海の上の診療所」が書かれていたという。愛子さまは小学生のころから動物医療や地域医療にご関心が高いそうだ。
主催者側のひとりが「今後も素晴らしい文章を書いてください」と伝えると愛子さまは、はにかみながら「どうなることやら」と笑顔で返された。
こうしたユーモアのあるやりとりは、雅子さまがご友人や職員らと会話をなさっているときのセンスと、とてもよく似ているという。愛子さまの言葉に両陛下や主催者たちから笑顔がこぼれた。
公務を終えたご一家が車に乗り込もうとなさると、愛子さまが戻って主催者側のひとりに「今日、お誕生日ですよね。おめでとうございます」と声をかけられた。
実はその人物の誕生日は公表しているものとは違い、実際の誕生日が28日であることを知っている人はあまりいないそうだ。愛子さまがよくこのことをご存じだったと本人も驚いたという。愛子さまのこうした人とのつながりを大切になさっているお姿は、両陛下のなさりようそのものだと宮内庁職員は語る。
今年4月からは大学4年生になる愛子さまは学業優先が続くだろうが、時折、国民との触れ合いの中で自然なお言葉と優しさを届けてくれることだろう。
(取材・文/友納尚子)