媚びない姿勢の真相と普通の人になりたかった幼少期

――また、コメントにも丁寧に素直に返事をしていますよね。とあるYouTuberさんの動画と似ているというコメントが寄せられたときも、「私はその方を知らないんです」「そこが気になるなら、私の動画を見ないほうがいいと思います」とはっきりおっしゃっていたのが印象的でした。

「あ、そんなこともありましたね。私、嫌いなものをわざわざ見る人が理解できないんですよ。たまにいるじゃないですか? 腹立つのに見に行く人。

“そのエネルギー、いらなくないですか?”って思うんですよ。“そのぶん、好きなものを見ていたほうがよくないですか?”って

――しかも、見に行って否定的なコメントをするんですよね。

「そうなんですよ。YouTuberさんと似ていると言われたときは、同じようなことを何回も言われていたので、“あ、気になる人が多いんだな”と思って。“そういうわけじゃないですよ”と言いたくてしゃべりました」

――オカリナさんの媚びない姿勢や、取り繕わない言い方が素敵だなと思いながら動画を見ています。昔からそうなのでしょうか?

「そうかもしれないです。空気を読むのが苦手なんですよ。だから余計なこと言っちゃうんですけど

――育った環境がそうさせたのでしょうか?

「というより、私の性質だと思います。そういう人間なんですよ、小さいころから」

――そのほうが生きやすい、ということでもあるんですかね。

「うーん……いや、そうでもないですね。私、もともとは“普通の人”になりたかったんです。世の中にはいるじゃないですか? 普通の体型で、可愛いわけじゃないけどブサイクでもなく、飛び抜けてスポーツができるわけでもないけどめちゃくちゃ運動音痴というわけでもない普通の人。

 そういう人になりたかったんですけど、そうはいかなかったんですよね。“変わってるね”と言われることも多いし、結局のところ普通が何なのかもよくわからないんです。だから今、(芸人として)ここにいるんでしょうけど

――では、今は居心地がいいですか?

「そうですね。普通になれないとわかったし、芸人はダメなところこそ“よい”とされるので、ありがたい職業です。それに、仕事をする中で知り合いが増えたので、楽しいことも増えましたし。

 看護師(芸人になる前、約4年間看護師として働いていた)のときは本当につらいことが多くて、事あるごとにリネン庫でリネンを殴ってストレス発散をしていたんですけどね。当時に比べたらかなり居心地がいいです」

オカリナさん 撮影/佐藤靖彦