売れっ子放送作家の片鱗と、相方フワちゃんとの出会い
そんな長崎さんが、フワちゃんとYouTubeチャンネル『フワちゃんTV』を開設したのは、放送作家になってから3年後の2018年のこと。その前年に、フワちゃんがある日、長崎さんが暮らしていたシェアハウスに遊びに来たのがきっかけだった。
当時、フワちゃんはフリーのピン芸人で、初対面でもお構いなしのタメ口。でも、言動の端々にパワーを感じ、「この意味不明な魅力を解き明かして世の中に伝えたい!」と思ったという。
「“一見キワモノでも、本質的なものを見たら大勢の人に刺さる”というものがあるんですよ。フワちゃんはそれが顕著でした。ぱっと見、わけわからんことを言ってるギャルみたいだけど、底抜けに明るくて、人の心を動かす力があった。
僕の仕事では、接する人やモノすべてを因数分解して見ていく必要があるので、食わず嫌いしないようにしています」
実際、長崎さんの直感は当たった。
当時、アルバイト先がつぶれて収入ゼロだったフワちゃんに、毎月お金を貸し、YouTubeの動画を作るための機材購入費や撮影経費も、すべて貯金から持ち出した。
それでもフワちゃんへの投資なら必ず回収できると信じていたし、『フワちゃんTV』のコンテンツ制作で自らカメラを持って撮影したことが、長崎さんの新たな強みとなった。2022年末には久々の海外ロケも敢行し、『フワちゃんTV』での発信は現在も続いている。
「更新頻度が減ったとよく言われるんですが、実はそんなに変わっていません。以前から3〜4か月更新なしというのもザラ。YouTubeは再生回数などアクセス解析ができるのですが、解析結果を見るのが精神衛生上よくない。動画やチャンネルに対する数字なのに、テストで点をつけられているような気分で、自分の価値が数字化されているような気がするんです。
だから、『フワちゃんTV』も、その数字にとらわれ過ぎず更新しています。という理由が、頻繁に更新しないことへの正当化にもなっていますが(笑)。でも、ショート動画は毎日更新しています!」