会話をしていたら、まったく悪気はないのに、なぜか相手が気を悪くしてしまい、話が続かなくなってしまった……。そんな経験はありませんか。
そんなとき、あなたは「相手が話したいと思っている気持ち」を、知らず知らずのうちに壊してしまっているのかもしれません。
今回は、コーチングのプロフェッショナルである林健太郎氏の著書、『否定しない習慣』(フォレスト出版)から、“相手との会話を円滑にして、良好な関係性を築くための情報も得られるようになる、会話術の鍛え方”についてお伝えします。
「いつも雑談が弾まない……」思い当たる人は要注意
例えば、会社で仕事仲間とのこんな会話。あなただったら何と返しますか?
「昨日ラーメンが食べたくて、いつもの店に行ったら休みだったんだよ」
「バカだな。ネットで調べてから行けばよかったのに」
ありがちな返しです。会話は成立しています。でも、行動を否定された相手は、気を悪くしてしまうかもしれません。あるいは、こんな返し方をする人もいるでしょう。
「昨日ラーメンが食べたくて、いつもの店に行ったら休みだったんだよ」
「それは時間の無駄だったね。でも、人生にはそんなこともあるよ。終わったことは忘れたほうがいいよ」
これもありがちな返しですね。本人は相手に有益な返しをしたと、ご満悦かもしれません。しかし言われた相手は「何をわかったようなことを……」と思うかも。
話の先を読んだ気になって、こんな返しをする人もいるかもしれません。
「昨日ラーメンが食べたくて、いつもの店に行ったら休みだったんだよ」
「そうなんだ。じゃあ、今日はその店に、一緒にラーメンでも食べに行く?」
こんなことをわざわざ言ったのは、“昨日食べそこなったのだから、今日こそは食べたいと言うに違いない”と考えて、先回りしたのですね。一見、気が利いているように見えますが、実はこれも的を射ていません。
では、相手と良好な会話を進めるためには、何と返すのが「正解」なのでしょうか?