日高七海さんとのゆるいトークラジオが気づきをもたらす

 『銀平町シネマブルース』で共演したバイト仲間役の日高七海さんとは今、ポッドキャストの番組で一緒にトークをしている仲だ。この「ファミジワ」こと『今ファミレスにいるんだけど隣の席の女子が話してる内容がジワジワきてるんだが共有してもいいですか?』では、2人が仕事やプライベートで気づいたことなら何でも、雑談のようにゆるいトークを繰り広げている。

「撮影で仲よくなってから、私が一方的に誘いました(笑)。もともと音楽に関するラジオ番組をレギュラーでやっているのですが、それよりもラフな雰囲気というか、私たちの身のまわりのことを何でも話せる番組をやってみたかったんです

 リアルでの友達同士さながらに、まじめなこともちょっと笑えるネタも話していくんですが、他愛もないトークに終始しているので聴いた後に何も印象が残らないかも(笑)。でもそれがかえって番組の醍醐味で、飽きないで聴いていただけているようですね」

 以前からポッドキャストをよく聴いていた藤原さんだが、特に好きな番組が『叶姉妹のファビュラスワールド』だという。いったい、あのファビュラスな彼女たちのどんなところに興味津々なのだろうか?

「常人ならざるところというか(笑)、もう考え方からして普通の人とかけ離れた思考をお持ちの方たちじゃないですか。その哲学を聞けるのが面白いんです。初めは理解できないんですけど、聴いているうちにこういう考え方もあるんだという気分になります。私に実践できるかはまた別問題ですが(笑)」

 世間一般の価値観にとらわれないライフを送っている叶姉妹のトークに感銘を受けることも。

「恋愛の価値観ひとつとっても、固定のパートナーを持たなかったり。彼女たちの話を聞いていると、私たちが常識と考えているものって絶対的な尺度ではないなと思えてきます。当人たちがよければそれでいいんじゃない? と自分の考え方を相対化できるんです。文字だけだと誤解されそうな発言があっても、リアルタイムで聴いていれば話し手の感情までわかるのもトーク配信のよさですね

藤原さくらさん 撮影/松島豊

 人は千差万別で、生き方や考え方も興味も無数にあるとわかるのがフリートーク番組の面白さだと、聴き手としても作り手としても感じている。

エンタメの仕事をしていると本当にいろんな考えの人と接するので、世の中の多様性を実感しますね。私たちの番組も、こんな人たちもいるんだなくらいに聴いてもらえたら嬉しいです」