“いじわる役”も「無理して演じている感じはしない」と語るワケは 

──イベントなどで峯村さんを拝見したときは、歌のサビを何度も楽しそうに歌われたり、笑顔が多かったりと、すごくチャーミングな印象があるのですが、『真田丸』や『エール』では“いじわる役”を演じ、話題になりました。自身とのギャップなどは感じていますか?

「顔つきとか、背の高さ(173センチ)から、そういう役が来ているのかもしれないですね。思えばケラさんと組んだ初めての舞台でも、かなり厳しいバーのママ役をいただいて、竹刀を持って“黙りなさい! “って言ったりしていました」

──それはインパクトのある役ですね。キツめの人物などは、演じていてつらくなったりもしますか?

「う〜ん、私ね、もしかしたら自分の中に、ちょっと性格がキツいところもあるんだと思うんです。だから決して(いじわる役を)無理して演じているっていう感じはしないんですよ。強い台詞でも普通に言えるので」

──それだけ役に没頭されるタイプなのだと思います。ちなみに自分にも厳しいのですか?

「自分には甘いですね、すごく甘い(笑)。私は親しい人にははっきりとものを言うほうで、相手もそういうタイプが多いので、ときにはお互い、叱り合っています。だから上辺(うわべ)だけでなく、深い仲になりやすいのかも。でも、“友達が多いね”ってよく言われますが、本当に信頼できるような間柄の人は、各グループに1人か2人くらいですよ。、お酒をよく飲む仲間、お芝居のことを語る仲間、好きなグループの話で盛り上がる仲間……って、それぞれカテゴリごとに分かれている感じですね」

一見クールそうに見える峯村さんだが、話してみると非常に朗らか 撮影/矢島泰輔

“推し”のおかげで『帰ってきたマイ・ブラザー』で感情移入ができるように

──好きなグループの話で盛り上がる仲間がいるとのことですが、具体的には?

BTS! BTSにハマってから、その話題を共有できる仲間ができて、LINEでもグループを作り、必死にチケットをゲットし合ったりしています。そのうちのひとりが、犬山(イヌコ)さん。同じ劇団で出会ってからもう38年くらいなんですけれど、ふたりでこんなにキャッキャするのは初めてですね(笑)。

 '21年に出演したナイロンの舞台『イモンドの勝負』の楽屋で、俳優陣にイチオシのBTS動画を送ったんですよ。そのときは犬山さんも“あ〜、なんかダンスがうまいニャー”なんて言って興味なさそうだったのに、半年後には、どハマりしてくれていました(笑)」

──すごくイキイキとしたお顔をされていて、楽しさが伝わってきます! 峯村さんがBTSにハマったきっかけは?

「コロナ禍で家にいる時間が増えたとき、身体を動かしたいなって思ってYouTubeを観ていたら、“踊ってみた”的な動画ですごくノリのいい曲が使われていたんです。“誰の曲だろう”と気になって調べてみたら、BTSで。そこから実際に彼らのパフォーマンスの動画を観ていくうちに、ダンスがものすごく洗練されていることに感動して、すぐにファンクラブにも入っちゃいました。ここまでハマったのは人生初ですね

──“推しメン”はいるのですか?

「基本的には、箱推し(グループ全体を応援する人)です。あえて誰か選ぶなら、テテ(V)かな。あとは、末っ子のグク(JUNG KOOK)がメンバーからすごく愛されているんですけど、その様子が舞台『帰ってきたマイ・ブラザー』での堤(真一)さんと重なるんですよ! 水谷(豊)さん、段田(安則)さん、高橋(克実)さん、堤さんが、かつて大ヒット曲を放った兄弟グループを演じるのですが、いちばん年下で、稽古場でも可愛がられている堤さんが、グクの立ち位置とちょうど一緒だなあって。ほほえましく見つめています」

──峯村さんは、その兄弟グループ“ブラザー4”の、かつての熱狂的なファンという役どころですよね。ちょうど感情移入しやすいのではないでしょうか。

「そうですね。これまでは、例えば同じお芝居を毎日のように見に来てくださる方に対して、すごくありがたいのですが、“内容はいつも一緒なのに、どうして何度も?”と思っていたんですよ。でも、今は完全にその気持ちがわかります!(笑)」

“推し”について語る峯村さんから純粋な愛が伝わり、なんだかキュンとしちゃいました! 撮影/矢島泰輔