水彩画に続き、油絵の才能も開花?
──田中さんと言えば『プレバト!!』(MBS・TBS系)で絵の才能も注目されています。アートの活動を広げる予定はありますか?
「ちょうど今週『プレバト!!』の水彩画を描いていて、それが終わったら休むことなく消しゴムはんこの制作に入るので、ほとんどプライベートの絵を描く時間がないんですよ。なので今は『プレバト!!』の作品だけで手いっぱいですね。くっきーさんみたいに個展を開けるような域には、まだ達してないかなと」
──以前インスタグラムに載せていた抽象画もすごくセンスを感じました。
「ありがとうございます! あれは自粛期間に自宅で描いた絵なので、いくつかは友達にあげちゃいました」
──完成までにどのくらいの時間をかけているんですか?
「油絵なので1回塗るごとに乾燥させる必要があるから長いもので数週間かかりますが、短いものは1日あれば完成します。私は独学で油絵の作法も学んでないから、金箔とか普通にのせちゃうんですよ。そんなので大丈夫かなって(笑)」
──独学であの絵が描けるのは才能だと思います。
「どんどんやる気にさせて、どうするんですか~(笑)。でも、少し期待に応えたくなってきたので、時間のあるときに描きためておきます」
人生はRPG。これからもレベルアップして成長したい
──勝手な感想ですが、田中さんであれば女優、建築士、芸術家として三足のわらじも行けそうです。
「私って足りてない部分もいろいろあるけど、好きなモノはとことん突き詰めるタイプなんです。モデルの仕事は自分の欠点を隠す必要がありましたが、女優の仕事ではそんな欠点も魅力だと言ってもらえることが多くて、大好きな競馬やゲーム、マンガのことを堂々と話せるようになりました。女優のほかに建築やアートに関するお仕事もいただけている今の状況はとてもありがたいですね」
──モデル時代からだいぶ仕事の幅が広がりましたね。
「ファッションについては私なりの割り切りがあって、今日みたいな撮影のある日は別ですが、それ以外の現場だといつも同じような着こなしです。自分ではスティーブ・ジョブズのつもりですが、マネージャーにどう思われてるかはわかりません(笑)」
──そのアンバランスさも田中さんの魅力になっていると思います。
「ホントですか、嬉しいです。短所もその人の個性だと思うんです。全員が短所を隠してしまうとキレイな六角形のパラメータにはなるけど、それって誰でも同じじゃんって。ちょっとくらい形がボコボコのほうがその人らしさがあっていいですよね」
──『ドラゴンクエスト』シリーズのはぐれメタル(※3)のように、いびつなパラメータですね。
(※3)『ドラゴンクエスト』シリーズの敵キャラ。遭遇率が低く、守備力が高いうえにすぐ逃げるので倒すのは容易ではない。倒すと大量の経験値が得られる、いわゆるレアキャラ。
「そう、はぐれメタルです! はぐれメタルに遭遇したら嬉しいじゃないですか(笑)」
──六角形のパラメータというレーダーチャートの例えを聞いて、やっぱり田中さんはゲーマーなんだなと感じました。
「よく人生をRPGにたとえますもん。今は一級建築士の試験に合格したので、レアな鎧(よろい)か武器をゲットした状態だと思ってます。ただ、装備を固めても基礎パラメータが低いままではダメなので、たまには筋トレしようとか。実際、建築の勉強をずっと続けて体力の衰えを感じましたから。これからもレベルアップをしながら、ジョブチェンジもして成長を目指します」
(取材・文/松山タカシ)
〈PROFILE〉
田中道子(たなか・みちこ)
1989年8月24日生まれ、静岡県浜松市出身。静岡文化芸術大学卒。大学卒業後に二級建築士の試験に合格するが、就職活動中に現事務所にスカウトされ女優の道へ。'16年放送のテレビ朝日系『ドクターX~外科医・大門未知子~』を皮切りに多数の連続ドラマに出演。現在、『プレバト!!』(MBS・TBS系)、『みんなのKEIBA』『馬好王国~UmazuKingdom~』(ともにフジテレビ系)などに出演中。4月よりレギュラー出演するNHK総合『解体キングダム』(毎週水曜19:57〜)の放送がスタート。