「与えるものが与えられる」ことを学んだ、沖縄の出来事

石橋静河さん 撮影/松島豊

──ご自身のInstagramで昨年の8月に、“最近の発見したこと”として「出し惜しみしない(「これをもらったからこれだけ返す」とか対価ではないやりとり そのほうが返ってこなくてもあげた喜びだけが残る)」といったことが書かれていました。これは、どんな経験から発見したことなのでしょうか?

「そのころ、お休みをいただき3週間くらい沖縄に行って、琉球舞踊を習ったんです。先生方が“やるからには、ちゃんと覚えてもらいたい”といってくださって、お稽古の時間を増やしてくれて、毎日2~4時間くらいみっちりお稽古をしていただきました。

 舞台に立つといった目標があるわけではなく、ただ“学びたい”という思いに対して、“きちんと覚えてほしい”と自分の時間や労力を割いてくださるというのは、すごいことだと感じました。しかも、対価を求めることなく、“自分がそうしたい”という思いから、教えてくださったんです」

──それで、石橋さんも「出し惜しみをしないようにしよう」と思うようになったのですね。

「あげた分だけ、もらうこともあると思うんです。誰かに何かをしてあげるという行為が、(結果的に)見えない形、喜びとして返ってくることは多いんですよね

──それにしても、休暇なのに「みっちり踊りの稽古をする」というのがスゴイです。やはり踊ることが好きなんですね。

「好きですね。稽古しているときは身体と心と向き合わなくていけないのですが、逆を言えば、それだけしか必要なことはなくて、シンプルなんです。

“身体をどうやってコントロールし、美しく見せるのか”というのをやっていると、心が健康になっていくような感覚がありました

──来年は30歳。「こんな30代になりたい」という理想はありますか?

「特にないんです。年齢はあまり気にしないです。未来はどうなっているのか……。

 ひとつの作品をしっかりやったら、次の扉が開くことは多いですが、それが俳優として続いていく扉なのか、また違う扉が開くのかもわからないです。ただ、“自分が楽しく生きられる道”を探せたらいいなって思います

◇  ◇  ◇

 お話を伺ってみて、柔軟性を持って、自分らしく生きている姿が魅力的だと感じました。自分に正直な生き方、人生哲学が、芝居にもにじみ出るからこそ、人々を魅了させるのでしょうね。

(取材・文/加藤弓子)

石橋静河さん 撮影/松島豊

【PROFILE】

石橋静河(いしばし・しずか) 1994年生まれ、東京都出身。15歳から4年間のバレエ留学より帰国後、2015年の舞台『銀河鉄道の夜2015』 で俳優デビュー。初主演作『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』('17)で第60回ブルーリボン賞新人賞をはじめ数多くの新人賞を受賞。近年の主な出演作に【舞台】『桜姫東文章』('23)、『近松心中物語』『未練の幽霊と怪物』('21)、『神の子』『ビビを見た!』('19)、【映画】『DEATH DAYS』『前科者』('22)、『DIVOC-12』('21)『あのこは貴族』('21)、『ばるぼら』『人数の町』('20)、【ドラマ】『探偵ロマンス』(NHK・23)、『まんぞく まんぞく』(NHK BSプレミアム・22)、『鎌倉殿の13人』(NHK・22)、『前科者-新米保護司・阿川佳代-』(WOWOW・21)、『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ系・'21)など。

■『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』

 人生にかけられた重い枷(かせ)。そこから目をそらし生きてきた渡守ソウシ(窪田正孝)。贖罪、そして再生のため、彼は世界の秘密を解き放つ――。

 15 年前、世界各地に謎の「侵略者」が出没。公式には日本のある集落に巨大隕石が落下し巨大なクレーターが生まれ、そこから「宇宙からの侵略者、使徒」が出現したと発表される。

 使徒に対抗するため、特務機関「メンシュ」最高司令官、叶サネユキ(田中哲司)は部下の桜井エツコ(宮下今日子)とともに4体のエヴァンゲリオンを開発。サネユキは自らの息子トウマ(永田崇人)をパイロットとしてエヴァンゲリオンに搭乗させる。

 さらに、現場指揮官のイオリ(石橋静河)のもと、ヒナタ(坂ノ上茜)、エリ(村田寛奈)、そしてナヲ(板垣瑞生)ら少年少女もパイロットとして秘密裏に配属された。

 次々と襲来する使徒、しかしパイロットたちの思いはさまざまでやがて彼らの思いはすれ違っていく。そしてイオリも自らのパイロットたちへの対応に疑問を持ち悩む。

 そんなイオリの前に大学時代の友人であり、恋人だったソウシが現れる。ソウシはイオリのことを気遣いつつ、エヴァパイロットが通う学校の臨時教師になったことを告げる。

★THEATER MILANO-Za こけら落とし公演 COCOON PRODUCTION 2023『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』

原案・構成・演出・振付:シディ・ラルビ・シェルカウイ

舞台版構成台本:ノゾエ征爾

上演脚本:渡部亮平

出演:窪田正孝 石橋静河 板垣瑞生 永田崇人 坂ノ上茜 村田寛奈 宮下今日子 田中哲司 ほか

公式サイト:https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/evangelion2023.html

【東京公演】

公演期間:2023年5月6日(土)~5月28日(日)

会場:THEATER MILANO-Za (東急歌舞伎町タワー6階)

お問合せ:Bunkamura 03-3477-3244(10:00~18:00) 

【長野公演】

公演日程・会場:6月3日(土)・4日(日)まつもと市民芸術館

お問合せ:サンライズプロモーション北陸 025-246-3939(火~金 12:00~16:00 土 10:00~15:00 日祝月曜休業)

長野公演主催:サンライズプロモーション北陸

【大阪公演】

公演日程・会場:6月10日(土)~19 日(月)森ノ宮ピロティホール

お問合せ:キョードーインフォメーション 0570-200-888(11:00~18:00 日祝休業)

大阪公演主催:サンライズプロモーション大阪