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ドラマ・映画・舞台

高齢者売春クラブを描いた問題作『茶飲友達』に観客殺到! カメ止めブームの“シニア版”が、たった1館から全国拡大公開へ

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「人生100年時代」。介護施設を訪れた老女は静かにブラウスを脱いで老人の手をとり……(C)2022茶飲友達フィルムパートナーズ
目次
  • 描くのは高齢者のセックス産業
  • 女性最高齢は82歳のおばあちゃん
  • 『カメラを止めるな!』との共通点
  • 俳優自身が「裏設定」を考えて

 東京・渋谷のミニシアターから、規格外のヒット映画が生まれようとしている。

 観客はシニア層が7割! 男性はひとり客、女性はふたり連れが多いという。当初は「ユーロスペース」(渋谷区円山町)1館だけでの公開だったが、初日の2月4日(土)から5回連続で満席というロケットスタートを切り、翌週の土日も満員札止め。急きょ2月17日(金)から名古屋でも上映が始まり、さらに大阪・福岡・京都・横浜など全国25館以上での拡大上映が決まった。

 あのカメ止めブームの “シニア版” ともいわれる映画は『茶飲友達』(外山文治監督)。

 あたたかな縁側の陽だまりを連想させるタイトルだが、実は高齢者向けの売春クラブが警視庁に摘発された実際の事件をモチーフにした作品。どうやって作られ、なぜ多くの人々に刺さっているのだろうか──。

肌と肌を重ねて、つかの間のぬくもり。これは「自由恋愛」なのか「組織売春」として裁かれるのか (C)2022茶飲友達フィルムパートナーズ

描くのは高齢者のセックス産業

「予想以上の反響に驚いています。これまでの映画では、高齢者の性の問題はほとんど語られてこなかった。どちらかというと人間の崇高な部分ばかりをシニアに担わせる映画が多かった。等身大のシニアを描いていないのでは? という自分自身の反省も含めて、もっと身近なテーマを描こうとタブーに踏み込んだ結果が、このヒットにつながったのかなと思っています」(外山文治監督へのインタビュー/以下同)

 劇場にはシニア客が列をなして非常ににぎやかだが、若い観客も3割以上いるという。

「若い人たちからすると、“高齢者ってそういうことするんですか!?” みたいな感覚で。自分とは無縁のものだという見方から始まるんですけれども、映画が終わるころには絶対に必要なふれあいであるという認識に変わったり。自分が今まで見てこなかったものなんだなという、気づきみたいなところに着地してくださる人が多いですね」

商談成立!? 妻に先立たれた孤独な男性(渡辺哲)が “ティー・ガール” と出会って (C)2022茶飲友達フィルムパートナーズ

【ストーリー】
 妻に先立たれ孤独に暮らす男、時岡茂雄(渡辺哲)がある日ふと目にしたのは、新聞の三行広告に小さく書かれた《茶飲友達、募集》の文字と電話番号。その正体は、高齢者専門の売春クラブ『茶飲友達(ティー・フレンド)』だった。

 運営するのは、29歳の代表・佐々木マナ(岡本玲)とごく普通の若者たち。彼らは65歳以上の “ティー・ガールズ” と名付けられたコールガールたちに仕事を斡旋(あっせん)し、送迎と集金を繰り返すビジネスを展開。マナはともに働くティー・ガールズや若者たちを “ファミリー” と呼び、それぞれ孤独や寂しさを抱えて生きる彼らにとって大事な存在となっていた。

 ある日、一本の電話が鳴る。それは介護施設に住む老人からの「茶飲友達が欲しい」という救いを求める連絡で──。

 高齢者のセックスを扱う作品ではあるものの、主人公のマナをはじめ、送迎の男性ドライバーたち、電話の応対や会計係をつとめる女性たちなど、若い世代もひとつ屋根の下(一軒家のシェアハウス)に集って、映画は序盤からにぎやかに進む。還暦超えのティー・ガールズたちは、それぞれ個性的なファッションに身をつつんで楽しげだ。

『茶飲友達(ティー・フレンド)』を経営するマナ(岡本玲)を中心にした “ファミリー”たち (C)2022茶飲友達フィルムパートナーズ

 そこに新たに加わるのが、偶然の出会いからマナにスカウトされた松子(磯西真喜)。もうひとりの主人公とも言える彼女の目線を通して、観客は『茶飲友達』の実態を知ることになる。

 煎茶コース(デートだけ)、玉露コース(本番あり)といった独特のタームや、見ず知らずの高齢男性と肌を重ねる戸惑い、少しづつ満たされていく心と身体……。映画は松子の変化を丹念にすくい取っていく。

孤独感が強まる現代社会の中で、みんな心の穴が塞(ふさ)がらない。そんな孤独に共鳴し合う、つながりを欲している人たちの寂しさと家族のあり方がテーマのひとつです。

 松子さんという方の人生に “彩り”が灯(とも)ったようにも感じられますが、やっぱり自分を少し犠牲にしながら、あるいは搾取されながら、かろうじて居場所を見つけている……。人を救済するっていうことの難しさみたいなことも表現してみました」

両親を看取って一人になった松子(左/磯西真喜)の単調な人生に変化が…… (C)2022茶飲友達フィルムパートナーズ
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