コロナ禍を皮切りに、あの話題のテレビ企画が始動
「他にも、キングレコードの担当者さんが“コロナ禍になったので、木山さん暇でしょ。私が企画書を書くので、アルバムを作りましょう”と言ってくださって。その年の6月にはアルバムが発売され、それを皮切りに、この3年半の間に6枚も僕のアルバムを出してくれました。
今年の4月には、Mr.シャチホコさんとのコラボにより、ちょっとふざけたタイトルですけど、『木山と木山〜夢のディナーショー』というデュオアルバムも発売されました」
──『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系)での木山さんと、もっと木山(Mr.シャチホコ)さんの名前をかけたバトルは面白かったです。あの番組で、木山さんも再注目されるようになったんじゃないですか。さっきも外の撮影で、小さいお子さんから声をかけられたりしていましたよね。
「ありがたいですね。これまでも、山寺宏一さんやビューティーこくぶさんなど、僕のモノマネをしてくれる人はいたんですけど、あそこまでバズったのは初めてですね。
『home』が出たのは、15年前なんです。だから、僕と同じ世代か、少し若い子育て世代の方は知ってくれているんですけど、子どもたちは知らないんです。今回シャチホコさんが僕のマネをして『home』を歌ってくれたことで、子どもたちが歌や僕の名前を知ってくれるようになって。
いまでは、どこへ行っても“きやま! きやま!”と呼んでくれます。番組では“木山”じゃない名前になってしまって、まだ取り戻せずにいます。あれはあれで、ちょっと営業妨害ではあるんですけど(笑)」
──こうやって話をお聞きすると、独立した当初、苦しい時期はありましたが、いまは本当にやりたい活動が広がってきているようですね。
「僕としても1日でも長く、歌い続けたいと思っているので、こうやって再注目されたり、新たなつながりができて、いろんなところで歌えるのは、嬉しい限りです。
独立した当初はコロナになり、“(36歳でがんを患ったころを思い)またかよ”という気持ちになりました。“頑張ってきたつもりなのに、なんでこんな目に遭うんだろう”と恨む気持ちも少し出てきたりもして。
でも、そこで諦めずに、考え方を切り替えて、“1回転んだんだから、転ばなかったらできなかったことをやろう”と思って取り組んだから、いまがあると思うんです」