ヒット作はいつだって、制作陣のチームワークで支えられている
──村瀬さんは、脚本家・生方美久さんについても「信頼してる」と話していました。“信頼”は村瀬さんの作品づくりのキーワード。
「僕の持論として、何がいちばん大事って、やっぱり人。結局、どんな作品を作るかよりも、誰とやるか。生方美久さんという、年齢も20才下なんだけど、人間的にも才能的にも素晴らしい人に、デビュー前に出会えた。
坂元裕二さんだってそう。もちろん大天才ですけど、それより何より僕は、人として大好きで、一緒に仕事していないときも、いろいろとお世話になっています(笑)。おかげさまで僕は、本当にたくさんの素晴らしい脚本家さんとご一緒させていだいてきているんですよね。
遊川和彦さん(※3)や井上由美子さん(※4)、岡田惠和さん(※5)といった素晴らしい脚本家さんたちといっぱい(仕事を)やらせていただいて、その方々から学んできたものが、幸せなことに僕のドラマに蓄積していく。
僕はプロデューサーであり脚本家じゃないから、たくさんの脚本家さんと一緒に作品を作ってきた中で、僕なりに得たものがたくさんあるんです。そうしていま、新人脚本家の生方さんとやれている。
もちろん、生方さんから学ぶこともたくさんありますし、楽しくてしょうがないんです。生方さんは、仮に僕が見い出さなかったとしても、いずれ大成功したと思いますが。“僕と出会ったことで、こういう世界が生まれた”というものを、彼女と一緒に作っていけたらなと思ってます。
監督も同じで、『silent』で一緒にやった風間太樹監督(※6)も、人間的にも才能的にも絶大な信頼を置いています。セカンドで撮ってくれた高野舞(高ははしごだか)監督(※7)、サードの品田俊介監督(※8)もそう。
彼らとの信頼関係と、そこから生まれたチームワークは、間違いなく『silent』のクオリティを高められた大きな要因です。彼らとも、もちろんこの先また一緒にやりたいと思っています。
一方で、新しい才能との出会いも、僕は常に求めています。生方さんや風間監督も、そういう気持ちでいたからこそ見つけられたわけですしね。そういう意味でいうと、いろんな作品を見ては”この人と一緒にやりたい!”って思っています。
最近だと、塚原(あゆ子)さんが監督した映画『わたしの幸せな結婚』を見て、改めて“やっぱり塚原さんと一緒にやりたいなぁ”って強く思いました。映画自体おもしろかったんですけど、何より、目黒蓮さんと今田美桜さんが本当にステキで、“さすが塚原監督!”って思いました。
目黒さんはよく知っているのでもともとなんですけど、あの映画を見て、今田美桜さんがめちゃめちゃ好きになりましたもん(笑)」
※3:脚本家。手がけた作品に『となりのチカラ』(テレビ朝日系)『女王の教室』『家政婦のミタ』(日本テレビ系)がある。
※4:脚本家。手がけた作品に『きらきらひかる』『白い巨塔』(ともにフジテレビ系)がある。
※5:脚本家。手がけた作品に、『ちゅらさん』(NHK)『最後から二番目の恋』(フジテレビ系)現在放送中の『日曜の夜ぐらいは…』(テレビ朝日系)がある。
※6:監督。手がけた作品に『チェリまほ THE MOVIE ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』(2022)『チア男子!!』(2019)
※7:監督、ドラマディレクター、演出家。手がけた作品に『純愛ディソナンス』、現在放送中の『あなたがしてくれなくても』(ともにフジテレビ系)がある。 ※8:演出家、監督。手がけた作品に『ミステリと言う勿れ』、『ナンバMG5』(ともにフジテレビ系)がある。