曲中のこだわりは初挑戦のラップとコンビニ店員のセリフ

──おっしゃるように言葉数が多いですし、ラップにも挑戦しています。音楽的にチャレンジな楽曲だったのでは?

 そうなんですよ! レコーディングでは、作曲者のCHIHIROさんからリズムの取り方などをていねいに助言していただきましたし、英語の歌詞は、日本語っぽくならないよう発音にも気を配りました。

 洋楽的な要素が強い曲調であっても、歌詞を見ない方にも言葉がちゃんと届くように歌う難しさを感じましたね。ただ、今回持参したノートに“もっと歌がうまくなる”という目標を書いているので、こうしたチャレンジもそのための大切な経験だと思って、前向きに頑張ることができました。

──曲中に登場するコンビニ店員さんのセリフも有華さんが?

 気づいていただけました⁉ 嬉しいです。実は、このセリフもめちゃめちゃこだわったんです。初めは、元気な店員さんをイメージしながら言ってみたんですが、なんかピンとこなくて。

 深夜2時のコンビニっぽさを出すために、「いらっしゃいませ~」という言葉が聞き取れるかどうかギリギリの感じで、だるそうに言ってみました。そこにもぜひ注目してほしいですね(笑)。

屈託のない笑顔で周りを和ませる 撮影/松島豊

メジャーデビューから3か月がたち生まれた心境の変化

──念願のメジャーデビューから3か月がたちますが、思い描いていた日々と現実とのギャップを感じることはありますか。

 チームが一丸となって、“有華”というアーティストを支えてくださっているんだなと感じます。デビュー前は、自分で作った新曲を知ってもらうには、自分で工夫して広めなければ誰にも届きませんでした。また、ライブが決まっても、自分から声をかけなければ誰も来てもらえませんでした。

 それが当たり前だったのに、デビュー後の3月に回ったワンマンツアーでは、私が知らないところでスタッフのみなさんが、有華のために動いてくださっているんだなとすごく感じました。すごくありがたいし、心強いなと思いました。

──そのライブのMCで、「もっと大きな会場にみんなを連れて行く」と宣言していました。

 これもデビューしてから変わったことです。以前の私は、心の中で思っても“実現できないかも……”と後ろ向きになって、ファンのみんなに言うことができませんでした。

 でも、デビューしてから少しずつ私を知ってくださる人も増えている実感も持てるようになり、ひとり夢に描いていた日本武道館や大阪城ホールのライブも、もしかしたら実現できるかもと思えるようになって。だから、自然とMCで口から出たんだと思います。

ファンをいまよりもっと大きな舞台へ連れて行くため、歌い続ける 撮影/松島豊