8つの節とごまがおいしさの秘訣「アスパラガスビスケット」誕生秘話

──ギンビスさんのもうひとつの看板商品と言えば「アスパラガスビスケット」ですが、
この商品の開発秘話などがあれば教えてください。

「アスパラガスビスケット」は、創業者の宮本が「真似をされても真似をするな」というポリシーから誕生した商品なんです。当時のビスケットといえば、丸や四角い形状が一般的でしたが、他にないオリジナル性の高いビスケットを作れないかと模索し、思いついたのがスティック型の「アスパラガスビスケット」でした。 

「アスパラガスビスケット」には、1本につき8つの「節」があるのですが、この「節」をつけることによって、カリッとした食感を出しています。当時は甘いビスケットが主流でしたが、塩とごまを加えることで大人の方にも好んでいただけるお菓子になりました。

おなじみの巾着袋のパッケージデザインは、50年たった今も大きく変えていないそう 提供/ギンビス

──発売後、お客様の反応はどんなものが多かったのでしょうか。

  当時は高級野菜だったアスパラガスに形が似ているということで「アスパラガスビスケット」という名前にしたのですが、それが珍しいと思われた方が多かったようですね。今でも「野菜のアスパラガスが入っているんですか?」というお声をいただくことがあります。野菜のアスパラガスはいっさい入っていないのですが(笑)、形や名前の独自性とユーモアも楽しんでいただければと思います。

──黒ごまと塩気が効いているところもおいしさのポイントかと思いますが、おすすめの食べ方はありますか?

  お酒のおつまみとして召し上がっていただいている方や、アレンジして楽しんでくださっている方が多いです。おつまみで召し上がるという発想から、昨年の秋冬商品から「ミニアスパラガス おつまみベーコン風味」を発売しています。

ギンビス広報の吉村さん。自社の商品について話す姿は「ギンビス愛」があふれていました 撮影/根津香菜子

──ギンビスさんの商品の中でチャレンジングだったお菓子はありますか?

 チャレンジという意味で言うと、「しみチョココーン」ですかね。この商品をはじめ、他にも生地の中にチョコレートをしみ込ませたお菓子をいくつか発売しているのですが、それらに用いているのが、日本ではギンビスが他社に先駆けて取り入れた「含浸製法」です。

全粒粉、カルシウム、食物繊維入り。夏でも手にチョコがつきにくいのも◎ 提供/ギンビス

 薄いビスケット生地にチョコをしみ込ませるというのが難しく、途中で割れてしまったり、中までちゃんとしみ込んでいなかったりと、難しいことがいろいろあったのですが、この製法を展開してからは「たべっ子水族館」や「チョコがしみこんだミニアスパラガス」などの新商品が次々と生まれ、若い世代の方にも人気があります。

「含浸製法」を取り入れた新商品! 提供/ギンビス