2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では、若くして命を落としてしまう北条政範を、また、同年に公開された映画『耳をすませば』では、中学生時代の天沢聖司を演じて注目を集めた若手俳優の中川翼さん。そんな中川さんの2回目の主演映画となる『スパイスより愛を込めて。』が6月2日より公開されます。
新型ウイルスが蔓延した影響で、抗ウイルス作用があると噂されたスパイスが不足し、日本からカレーが消えてしまった。そんな中、母のカレーをこよなく愛する高校生・山本蓮が、希少なスパイスの香りをまとう少女・端目莉久と出会い、ともにスパイス不足の謎を追う青春群像ミステリーです。
本作で、カレー好きな高校生・蓮を演じた中川さんに、作品を通して感じたことや見どころのほか、デビュー作で演じた役の思い出や目標の先輩についてなども伺いました。
ミステリーに青春に、ただの「カレー映画」じゃない!
――今回は2回目の主演作となりますが、本作のオファーを聞いたときの気持ちを教えてください。
映画『光を追いかけて』(21年)で一度主演を経験しているので、当時よりは緊張しないのかなと思っていたんです。もちろん嬉しさもあったのですが、それでもやっぱり緊張と不安はありました。
ただ、前作が中学生のときに撮影にした作品だったので、今作ではそのころとはまた少し違った、ちょっと大人になった僕で演じられたかなと思います。
――本作で演じた山本蓮とご自身に共通点と違う点はありましたか。
蓮は少しジェンダーレスなところがあるのですが、誰とでも仲良くなれるところが自分と近いかなと思いました。僕も今通っている高校のクラスメイトとは男女関係なく仲がいいですし、家族とも仲がいいので、そういうところが似ているかなと思います。
僕自身と違うところは、走り方です。野球の試合でヘッドスライディングするシーンがあるのですが、最初はいつもの自分の感じで走ったら、監督から「ちょっとカッコよすぎるから、ちゃんと蓮に見えるように“へにゃへにゃ”した感じで走って」と言われたんです。それが個人的に面白かったし、くすっと笑えるポイントでした。
──本作のどんなところに面白さを感じましたか?
最初にこのお話をいただいたときは「カレー」というワードしか聞かされてなかったので「どんな映画になるのだろう?」と思っていました。それで実際に脚本をいただいて撮影に入ってみたら、わりとミステリー的な部分があって、世の中から消えてしまったスパイスの謎を解決していくところは演じていても面白かったです。