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若い世代や海外からも注目されている昭和ポップス。本連載では、'80年代をメインに活動したアイドルの『Spotify』における再生回数と当時のCD売り上げをランキング化! データから過去・現在のヒット曲を見つめ、さらに、今後伸びそうな“未来のヒット曲”へとつながるような考察を、歌い手本人や関係者への取材を交えながら展開します♪

音楽

石川さゆり、「海外2人旅をする仲」である椎名林檎の紹介で次々とつながった“創作・コラボの輪”

SNSでの感想
石川さゆりさん。大胆な赤ドレスも着こなしバッチリ!
目次
  • '21年のシングル「獨り酒」が大奮闘! コロナ禍にあえて“お酒の歌”を制作
  • 編曲担当の坂本昌之が「“石川さゆりの新たな歌”」を引き出してくれた
  • 「ソーラン節」など『JAPAN』シリーズからのランクインに本人も大喜び!
  • 椎名林檎の紹介で亀田誠治とタッグを組んだ。布袋寅泰らとのコラボにも注目
  • 『JAPAN』シリーズに込めた「日本って、もっと楽しい国なのでは」という思い
What's「未来へつなぐ昭和ポップス」?

 今、若い世代からも、また海外からも熱い注目を浴びている昭和ポップス。昨今では、音楽を聴く手段としてサブスクリプションサービス(以下「サブスク」)がメインで使われているが、必ずしも当時ヒットした楽曲だけが大量に再生されているわけではなく、配信を通して新たなヒットが生まれていることも少なくない。

 そこで、本企画では1980年代をメインに活動した歌手・アイドルの『Spotify』(2023年4月時点で4億8900人超の月間アクティブユーザーを抱える、世界最大手の音楽ストリーミングサービス)における楽曲ごとの再生回数をランキング化。当時のCD売り上げランキングと比べながら過去・現在のヒット曲を見つめ、さらに、今後伸びそうな“未来のヒット曲”へとつながるような考察を、本人または昭和ポップス関係者への取材を交えながら進めていく。

 今回も、石川さゆりのSpotifyにおける人気曲を本人のエピソードを交え、第4位から振り返っていこう。

(第1位から第3位までを中心に詳しく語っていただいた、インタビュー第1弾→石川さゆり、紅白で歴代最多13回歌唱の「天城越え」レコード売上は低迷し「早く新曲を出せと怒られていた」

'21年のシングル「獨り酒」が大奮闘! コロナ禍にあえて“お酒の歌”を制作

 Spotify第4位には、「能登半島」がランクイン。第2位の「津軽海峡・冬景色」と同じく阿久悠×三木たかしコンビによるシングルで、レコード売り上げも40万枚を超える(オリコン調べ)。そして第5位には『紅白歌合戦』で自身初の大トリを担当した、なかにし礼×三木たかしコンビによる格調高き雰囲気の「風の盆恋歌」(こちらも累計17万枚以上で、石川にとって'80年代最大のヒットシングル)と、超定番曲が並んだ。

 そして第6位は、なんと'21年のシングル「獨り酒」オリコン調べのCDセールスは、週間最高60位、累計売上0.1万枚となっているが、ここでの再生回数は15万回を超えている。本作はKinuyo名義の石川が、この年に亡くなった喜多條忠と歌詞を共作した。やしきたかじんや河島英五ファンも好みそうな、“ちょっと寂しいけれど、どこか温かい気持ちになれる”ようなフォーク調の演歌だ。

「こんなに聴いていただけているなんてビックリしました! この曲を作ったころはコロナ禍まっただ中で、“あれはダメ、これはダメ、屋台に飲みに行ってもダメ”みたいな風潮になっていたので、“いっそのこと、もうお酒の歌を作っちゃえ!”と思ったんです。

 それで喜多條忠さんに相談したら、お身体の調子がよくなくて“僕はもう書けないよ”とおっしゃるので、“一緒に書きましょうよ”と。喜多條さんが1行書いては私が1行書いて、を繰り返して完成しました

編曲担当の坂本昌之が「“石川さゆりの新たな歌”」を引き出してくれた

 一般的に、アーティスト本人が作家のクレジットに並ぶ場合、語尾の部分を本人が微調整するといったエピソードはよく聞くが、今回の場合は純粋な共作。だからこそ、切なさと温かさが同居したような絶妙なバランスになっているのかもしれない。「獨り酒」には「天城越え」や「津軽海峡・冬景色」のような超大作の雰囲気ではないが、ひと息つきたいときに、そっと聴きたくなるような軽やかさがある。それゆえ、ストリーミングで人気なのだろう。徳永英明や平原綾香などJ-POPの楽曲でも活躍する坂本昌之が編曲を手がけたことも功を奏していそうだ。

「坂本昌之さんは、とても優しい方で打ち合わせも細かくしていただけるので、それが音楽に現れているのかもしれませんね。同時に、音楽的にトガった部分もお持ちなので、“石川さゆりの新たな歌”を引き出してくださったと思います」

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