なにわのしゃべくりシンデレラガールと「チョメ!」

──大国さんが萌々さんの話をすると止まらないですね。相方への愛情と敬意が伝わってきます。

大国:デビューしたときの萌々ちゃんは19歳のスーパー超新星でした。漫才がうますぎて……まさに「なにわのしゃべくりシンデレラガール」! 20年後に見たら、今流れている爛々の漫才の映像は絶対に伝説になると思います。

萌々:……ありがとう。

──萌々さんが照れてらっしゃるのか小声になりましたね。萌々さん、ネタ作りはどのようにしているのですか?

萌々日常生活で思ったことを漫才にします。例えばテレビドラマを見てると「娘さんを僕にください」「娘はやらん!」といった場面がありますよね。女性の立場から「娘はモノちゃうねん。モノみたいに言うな」と感じて、そこでひとつのツッコミが生まれます。雑誌で花嫁修業の記事を見て、「なんでわしらばっかり修行せなあかんねん。男もせえや」と思うこともあるし。

『THE W』で披露したネタもアルバイト先のおじさんとケンカをした思い出から生まれたという。ネタのようにイケメンではなかったが「おじさんに幸あれ」と萌々さん 撮影/門川裕子

大国ムカつくことを含めて萌々ちゃんの主観や気持ちが軸となって、私はそれを横でどう聞くかというのが、よく爛々がする漫才のスタイルですね。

 お客さんを見ていると、私たちの人間味を愛してくださっている方が多いんです。みなさん、コンビの関係性が漫才につながっていることを理解したうえで、爛々の漫才も人柄も愛してくださってるので、いいトライアングルができていますね。

萌々私たちのしゃべくり漫才は、ウソなく等身大でいることが大切なんですよ。自然にそうなってもいるし、その等身大の私たちを好きでいてくださる方がいるのは、やっぱりうれしいですね。

──THE Wで一躍、話題になった大国さんのツッコミ「チョメ!」はどこから思いついたんですか?

大国:休憩時間に同期の可愛い年下の男子を逆ナンしようと思って「ごはん行こう? 無理? なんで? チョメ?」と誘ったのがきっかけです。最初に披露したのは、爛々を結成して初めてのネタ見せやったかな。

萌々:私が逆ナンの様子を目撃して「ネタで言えや」って。「チョメ」はそれだけでツッコミが成立する、便利な言葉なんです。

大国:THE Wで使う前、不安だったんですが、前日にニッポンの社長の辻さんが肩を押してくださったんです。“チョメ!”は、“ガチョーン”や、“ゲッツ!”と同じ種類の元祖ギャグで、「“チョメ!”だけが流行(はや)ったとしても、お前らには漫才という軸があるから自信を持ってやれ」と言ってくださって。結果として麒麟の川島(明)さんもマネしてくださったし、すごくうれしかったですね。

大国さんは辻さんにツッコミの立ち位置を教えてもらったという。なお、萌々さんにも「きに、おおきにー!」「くに、おおくにー!」とセットで使えるギャグがある 撮影/門川裕子